宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しい西洋占星術―
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「日本は何座宮?」を読まれた方は、ご納得するしないは別にして、日本の国家象意が、「魚宮」「水瓶宮」「牡牛宮」であることをご理解できたと思います。
ここでは、「新しい意識と夢想の2010年」の欄外でお伝えしたように、アメリカと中国が何宮なのかを解き明かします。
●第1稿 : 2010年02月01日アップ
※オープンに際し「レクチャールーム」のときとはメイン・タイトルを変えました。
基本的に国家の象意は、「民族性」「国体」「現体制」の3つから成り立ちます。
国民のルーツともいえる「民族性」は、最初の国家の成立にかかわるもので、その国がどんな体制になろうと、誰が権力を握ろうと変わるものではありません。
日本の民族性は「魚宮」です。
民族性は、その国民にとっては、無意識の習慣・感覚・価値観・民俗風習ともいえるものなので、当たり前すぎて自覚できにくいものになります。
一方、日本の国体は「水瓶宮」です。
ここでいう「国体」は、その国が最初に成り立った国家体制にかかわる国家運営の特徴・特質・文化・思想で、今日に通じるものです。
詳しい説明は長くなるので省きますが、日本の天皇制の歴史的実態は、権力者や独裁者というよりも、権力者や豪族たちのバランスをとったり、「和」のために、担ぎ上げられた存在ということが特徴です。
※ご興味のある方は、後日アップした「女王卑弥呼と神武天皇の建国」や「天皇制と宝瓶宮時代」も併せてご参照ください。(2011.08.10付記)。
最後に、日本の現体制は「牡牛宮」です。
最も分かりやすいのが、この「現体制」で、多くの場合、建国(独立)記念日や憲法制定日によって決まります。
日本の憲法記念日は、戦後、占領下で発布された5月3日(1947年)ですし、占領下から国家主権を復帰した「独立記念日」ともいえるサンフランシスコ講和条約の発効日は4月28日(1952年)です。
いずれも「牡牛宮」なので問題ありません。
One-Point ◆ 国家は、これらの象意が複雑に絡み合って、そのときどきの出来事や状況において変化していきます。それは基本的に個人の場合と同様です。
理解しやすいように、民族性を「月」、国体を「太陽」、現体制を「ASC(アセンダント)」にしてみました。
中国は、第1ハウス(室)側に集中。自分中心さが象われました。
月=蠍宮と太陽=獅子宮の矩(スクエア=90度)は、権力意識の強さが読みとれます。
世界で最も古い国と自称することもある中国の民族性は、「蠍宮」です。
これは「日本は何座宮?」に書いたとおりです。
「蠍宮」は、最も極端に二分される象意を持ちます。
嫉妬や恨みといった情念や、また肉欲的な性惰に陥る場合と、それを昇華(しょうか)した魂の深淵ともいえる高尚な精神性や、また本物の深い愛に通じるといった、「賎」と「貴」の両面性があるのです。
中国はまさにそうで、相手の死後、恨みを晴らすために墓を掘り起こして、死者をムチ打つといった行いが歴史上にも多く知られています。
「死んでも許さない」という中国人の民族文化と、「死んだら誰でも仏様」という日本人の民族文化の違いが、靖国問題の根底に一つとして横たわっています。
その一方で、中国に古来から伝わる高い精神性を表わした孔子の儒教思想や老子や荘子など数々の教えがあることはご存じのとおりで、前者の反動だとしても、それは蠍宮の高尚な面のあらわれです。
ここに、「魚宮」の民族性を持つ日本人が、「蠍宮」の民族性が発揮された中国の古典に惹かれる理由があります。
次に、中国の国体は、「獅子宮」です。
我が中国こそが、世界の中心であり、最も価値ある文化を所有し、漢民族以外の周辺国は文化外の蛮族(野蛮な民族)であるとする「中華思想(華夷思想)」に、このことが象徴されています。
個人でいえば「殿様キャラ」ですね。
従うものには目をかけて寛大また尊大に接し、気をよくしますが、ときに傲慢やワガママや横柄さを発揮して、ゴリ押しするといった一面は、中国の特徴です。
最後に、中国の現体制は、「天秤宮」です。
今の共産党政権を打ち立てた毛沢東が、建国宣言をした1949年10月1日の「国慶節」、つまり建国記念日にあたる日は「天秤宮」になります。
2009年、中国は建国60周年を迎えました。
中国が「天秤宮」というと、意外な感じや違和感を持つ人も多いと思いますが、民族性が「蠍宮」、国体が「獅子宮」という濃いキャラの両方を根本に持っていることを考えれば、そのわりには、いつも周囲の国々や民族の動きに敏感に反応して、対処していることから理解できない話ではありません。
中国共産党政権が、表向きの「微笑外交」のように、人当たりのよい柔和さや平和を演出することがあるのは、やはり「天秤宮」の象意を持っているからだと考えれば、至極、納得できてしまいます。
One-Point ◆ もし、中国の現体制が「天秤宮」でなかったら、どうなっていると思いますか? 中国の歴史は、民族性に「蠍宮」、国体に「獅子宮」と権力意識の強い象意を持ちます。しかも、この二つは矩(スクエア=90度)の関係であるために、いつも覇権を争う権力闘争を行い、国家の興亡盛衰を繰り返してきました。
アメリカは、現体制=蟹宮を頂点とする運命的なヨッド(60・150・150)の配置が現われました。
自由と国民の権利を守り、また保護するための運命的な防衛本能が読みとれます。
建国から230余年しか経っていないアメリカの民族性は、「射手宮」です。
アメリカは、もともとはイギリスから自由を求めてメイフラワー号に乗って、プリマス・ロック(マサチューセッツ州ボストン)に1620年に着いたピューリタン(清教徒=キリスト教プロテスタント)であるピルグリム・ファーザーズによってはじまりました。
占星術に詳しい方なら、自由を求める、出生地を離れる、遠く離れた異国や外国人に憧れる、キリスト教などの高等宗教、といった内容が、まったく「射手宮」そのものの象意の現われであることに、異論はない思います。
まさにピルグリムにピッタリ。当てはまりすぎです。
一方、アメリカの国体は、日本と同じ「水瓶宮」です。
宝瓶宮時代の影響圏に入った1630年頃から、徐々に人々の自由と権利を求める民主主義の風潮や市民革命が勃発していった歴史の流れの中で、アメリカが独立・建国したことをみれば、疑う余地がありません。
活動空間の広がりは、水瓶宮と共鳴する天王星の象意の一つですが、アメリカの西部開拓史は、そのことを象徴するものです。
インディアンの方々には気の毒ですが、歴史の事実です。
自由を求める射手宮に加え、個人の自由や権利を保障する水瓶宮に象意を持つために、アメリカは「自由の旗手」として世界的に立たざるをえないのです。
宝瓶宮時代がはじまった今日、水瓶宮を第1ハウス(室)としたときに、水瓶宮と共鳴する第11ハウス(室)は射手宮にあたります。
そのことからもアメリカは、二重に水瓶宮と共鳴する象意を持つために、宝瓶宮時代に向かう流れの中で、時代の運勢を得て、わずか200年足らずで世界のトップに踊りでた国家になったのです。
そして、アメリカの現体制は、「蟹宮」です。
建国以来、アメリカは一度も国家体制が変わっていないので、インディペンデンス・デイすなわち独立記念日である1776年7月4日、独立宣言書が公布されたことを記念して定められた日になります。
世界最古の成文権法であるアメリカ合衆国憲法は、アメリカの諸連邦(当時は13州)ごとの批准によって成り立ったために、1787年12月7日から1790年5月29日まで、13邦(州)バラバラなので、定めようがありません。
ここは憲法制定日ではなく、独立記念日に代表させるしかなく、「蟹宮」です。
西洋占星術に詳しい方なら、蟹宮といえば「母性」「保護」「防衛本能」という象意を思い浮かべる方も多いと思います。
自分とその身内を守ろうとする意識の強いサイン(宮)です。
それゆえ、アメリカは、自国や世界的な自由民主主義体制に攻撃を仕掛けてくるものに対しては、激しく敵対し、守ろうとします。
これはもう、9.11などを見るまでもなく、アメリカの行動そのものです。
One-Point ◆ このことに、アメリカが建国された歴史の不思議を見る気がします。宝瓶宮時代の到来に備え、自由世界を守る国家として、世界的かつ歴史的な使命が与えられていると感じるのです。それを見失って、蟹宮の殻に引きこもったモンロー主義(孤立主義政策)に陥らないかぎり、運勢はアメリカと共にあるといえます。
戦後の現体制=牡牛宮からみると、国体=水瓶宮が天頂の第10室に配置されます。
民族性=魚宮も第11室。社会的また国際的に注目される配置になりました。
日本と中国の相性は極端。
グランド・クロスと二つの三分(120度)に。
激しく惹かれあいながらも、激しく対立することがバッチリ象わされました。
最後にまとめておきます。
日本は、「魚宮」「水瓶宮」「牡牛宮」です。
中国は、「蠍宮」「獅子宮」「天秤宮」です。
アメリカは、「射手宮」「水瓶宮」「蟹宮」です。
この象意から、国家間の相性をみると、いろいろと見えてきたり、思い当たるふしが多々あります。
日本人の民族性は「魚宮」なので、国民(民族)感情からみると、中国(蠍宮)が好きで、アメリカ(射手宮)をどちらかというと嫌いです。(笑)
あのアメリカ人のバカ明るい陽気で、軽いヤンキー魂(射手宮)は、ウエットな日本人の魂(魚宮)とは、一線を画します。
もっとも、日本人的感性は、何でもゴッチャに受け入れる「魚宮」なので、アメリカの民族性である「射手宮」の共鳴星・木星とは、必ずしも悪い相性ではありません。
なぜなら、木星は魚宮の副星(副共鳴星)なので、惹かれる部分もあるのです。
一方、日本の国体は「水瓶宮」なので、国家体制から見ると、中国の国体「獅子宮」とは敵対しやすく、アメリカの国体「水瓶宮」とは一致します。
それゆえ、日米安全保障同盟を結んでしまうのです。
国体からみた中国との相性では、協力し合うことが不可能ではありませんが、どちらかのレベルが低ければ、従うか従わせるかの主従関係か、そのための対立・敵対に陥ることになります。
これも歴史の証明するところです。
「水瓶宮」と「獅子宮」は、衝(180度)の関係なので、対立の一方で、お互いに目標としたり、運命的に惹かれる部分が出てこないわけではありません。
もし、中国の民族性が、日本の国体と矩(90度)の関係である「蠍宮」でなければ、お互いアジアの国どうし、目標にしたり、尊敬し合う関係になったでしょう。
そのためには、中国が「蠍宮」の民族感情である恨みを無くすか、引っ込めることが必要ですが…、中国人の民度が「貴」のほうに成長しないかぎり無理ですよね。
一方、日米の国体は「水瓶宮」どうしなので、国家体制としては合います。
ただ、関係を極端にこじらすと、「ンなら勝手にやったら…」と、無関心な態度(水瓶宮)も出てきます。
現体制どうしをみれば、三者は、「牡牛宮」「天秤宮」「蟹宮」なので、大きな特徴はありません。
しかし、民族性や国体や現体制を、タスキ掛けにすると、面白いことが見えてきます。
アメリカの現体制は「蟹宮」なので、日本の民族性「魚宮」や中国の民族性「蠍宮」とは、いい相性です。
歴史の浅いアメリカは、日本や中国の歴史的な民族性や精神文化に、「現体制」としては、興味と関心を持つのです。
アメリカは、日本人の旧きよき精神文化に憧れを持ちますが、今後、中国が精神文化的に開かれていって、アメリカと中国の関係が深まると、今後、中国の歴史的道徳や思想文化に関心をもっていくことは、充分に考えられます。
One-Point ◆ たとえば、宝瓶宮時代の世界的な友愛世界に向かう歴史の中で、アメリカの西洋プロテスタンティズムの精神と、日本や中国の東洋の精神文化が融合して、新しい友愛精神の底流となっていく可能性もあります。日本や中国にキリスト教精神が融合されていくよりも、アメリカにおいてのほうがたやすく、そうなれば東西融合の新しい友愛精神は、世界に受け入れられやすくなります。
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