宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しい西洋占星術―

ホロスコープの基本三数
― 宇宙・ホロスコープ・人間 ― 

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宇宙この世界は「基本三数」から成り立っている

ホロスコープ・リーディングのノウハウと考え方を書いた『西洋占星術と宝瓶宮占星学によるホロスコープ・リーディング入門講座』に、基本的すぎて書けなかった基礎の基礎となる考え方をご紹介しておきます。

●第1稿 : 2009年11月23日アップ ●改訂稿 : 2022年 3月25日アップ

《 ホロスコープにおける思想と哲学 》

ギリシャ哲学


昨今ではそうでもありませんが、共産主義思想が華やかりしころは、思想や哲学的な命題が学生の間でも盛んに討論されたものです。

難しいお話はともかく、思想や哲学の原点は、古代ギリシャの哲学(フィロソフィー=愛智)にはじまったといっても過言ではありません。

その根本は「人は何のために生きるのか」といった人生観や、「世界はどのように成り立っているのか」といった世界観です。

そういった古代ギリシャに、メソポタミアに発生したカルデア人による古代オリエント占星学が伝わりました。

ギリシャの賢人たちの思想や哲学と結びついたのです。

これによって古代ギリシャの世界観「四大元素説」をベースにしたアストロロジー(通称:古典占星学)がその「基礎理論」とともにはじまありました。

One-Point ◆ 「人は何のために生きるのか?」といった人生に答えを求める古代ギリシャの賢人たちが、星を観測していた“古代オリエント占星学”に飛びついたのは当然のことでした。そこに自らの哲学思想を融合させることによって、アストロロジー(星の学問、天体学)となる通称:古典占星学によって人生にかかわるヒントを見出していったのです。

●古典占星術への揺籃

古代ギリシャに哲学や思想が発達しはじめたころは、白羊宮時代から双魚宮時代の影響圏に入りはじめたあたりでした。

人類歴史における哲学や思想の揺籃(ようらん)が、そのころ魚宮の支配星だった木星の象意に基づくものであることは、他のページでも再三、述べたとおりです。

木星は、思想や哲学や高等宗教といった高い精神性を象わすからです。

その木星の象意にそって、カルデア人による古代オリエント占星学にも思想や哲学性が付加されていきました。

現在のホロスコープの原点となる古典占星学による四角いホロスコープが「四大元素説」に基づいて誕生していったのです。

《 宇宙と人間をつなぐホロスコープ 》

ホロスコープ


「世界(宇宙)とは何か?」「人生とは何か?」といった古代ギリシャの賢人たちの哲学的知性によって、古代オリエントの占星学(カルデア人の天体観測)に新しい息吹が吹き込まれていきました。

哲学思想による解釈が加えられ、当時の科学的知性を伴って解釈が深められ、また広まっていったのです。

彼らはホロスコープの中に宇宙と人生の真実であろうべきものを見出そうとしていたのです。

その結果、古代ギリシャの哲学思想に基づいて12サイン(宮)や星の象意が整えられ、ホロスコープの原型が生まれました。

12のサイン(宮)やハウス(室)がきっかり30度ずつに等分されているのはそのためです。

もし、哲学ではなく、星座(Constellation)に基づくものであれば、サイン(Sign)はその星座の幅によって不等分に区分されているはずだからです。

哲学思想による占星学は、当時の(擬似)科学である錬金術や鉱物学、動物学や植物学、解剖学や医学においても適用されました。

医学の祖・医聖といわれたヒポクラテスは、「占星術を理解しないものは医師ではなく愚か者である」とさえ述べたほどです。

占星学(ホロスコープ)は古代ギリシャの最先端の知性の象徴となったのです。

One-Point ◆ 古代ギリシャの知恵が導入されたホロスコープは、宇宙と人間をつなぐ真実を象徴していました。今日では、古代ギリシャ時代とは位置付けや解釈は異なります。しかし、新しく宝瓶宮時代(ほうへいきゅう じだい)になったことで、その象意にそった宇宙と人間をつなぐ新たなホロスコープ解釈が、宝瓶宮時代のアストロロジー(通称:宝瓶宮占星学)によってあらたな「基礎理論」をともなって誕生しています。

●現代の西洋占星術への残滓

古代ギリシャの哲学思想による解釈は、現代占星術に一部、残っています。

12サイン(宮)の分類がその一つです。

当時、世界は「地・水・風・火」という四つの元素から成り立っていると考えられていました。

それらを12サイン(宮)の解釈に当てはめたのです。

男性(+)サイン、女性(−)サインという2区分も同様です。

当時は、地上からの観測によるハウス(室)区分でしたが、近代以降は、さまざまなハウスシステムという考え方が現われ、混迷して今す。

どのハウスシステムが正しいか理論的に定まっていません。

宝瓶宮占星学では「基礎理論」から、どのようなハウス区分が正しいかを明確に示しています。

《 宇宙の基本3数による構成 》

基本3数


宇宙はすべて基本3数によって構成されています。

陰(−)陽(+)といった2数に見えるかもしれませんが、見えないもう1数があるのです。

宇宙の一員である人間存在も例外ではありません。

宇宙におけるすべての存在で、基本3数によって構成されないものはありません。

人間社会からみたときに、宇宙(世界)における基本3数は「時間」と「空間」と「人間」です。

人間(じんかん)は「にんげん」ではなく、「人に象徴されるもの」といった意味で機能と関係によって成り立っています。

基本3数にプラスαが含まれることによって、発展性と連続性が生まれます。

宇宙存在がすべてこのような基本3数によって成り立つために、宇宙と人間のかかわりを象わす「ホロスコープ」も実は「基本3数」によって構成されています。

ホロスコープにおける基本3数要素は、サイン(宮)とハウス(室)とアスペクトです。

星はプラスαとして新たに生まれた存在です。

人間個人でいえば、心・技・体といった基本3数があります。

One-Point ◆ 宇宙・ホロスコープ・人間、すべての存在における基本の3数を正しく理解できれば、そこに共通性や関係性が見えてきます。ホロスコープ・リーディングの基礎の基礎が「基本三数」にあるのです。古代ギリシャでは「地・水・風・火」といった四元素で世界が構成されていると信じられ、ホロスコープの12サイン(宮)の解釈に当てはめました。

●リーディング・パターンって何?

リーディングするときの基本の型式をリーディング・パターンとしましょう。

習い事をするときにも、まずは基本となるカタチから入っていくようなものです。

世阿彌の『風姿花伝』などに記されているような「序破急」もその一つです。

「守破離」と言い換えてもかまいません。

まずは基礎となるパターンを学び、次に創意工夫し、最後に自分のオリジナリティーを築くといった基本パターンのことです。

ホロスコープ・リーディングにおいては、基本の3数の構成によって、ホロスコープから解釈していくパターンがあります。

《 ホロスコープ・リーディングの3数 》

以上のことが分かれば、ホロスコープ・リーディングも基本三数を用いた解釈を行なえばよいことがみえてきます。

「心」から「行動」に至る3数(4数)、成長における3段階(4段階)のステップ、いくつかのカテゴリーがホロスコープにはありますが、これらはそのまま個人の性格や運勢を象徴しています。

そこにあるホロスコープの基本の3数と、人間存在の基本の3数の共通性や関係性を見抜くことによって、ホロスコープ・リーディングが行なえるということです。

上の項目で人間個人の心・技・体の基本の3数を一例に挙げましたので、これでいえば、「心」にあたる占星要素があり、「技」にあたる占星要素があり、「体」にあたる占星要素があるということです。

これらはお互いに共鳴関係にあって、ホロスコープ・リーディングを行なううえで大切なご理解になっています。

このような3数によるリーディング・パターンが見えてくれば、ホロスコープ・リーディングはずっと論理的でラクになります。

自分のもの(オリジナル)として現実化していくには、やはりそれなりの経験や実感は必要ですが、古い間違った解釈を信じて“吉凶”で占断するよりも、また基礎理論もなく暗中模索するよりも、事実にそった3数解釈で象意やリーディングを考えるほうが、理解が早く、正しくなります。

One-Point ◆ 物事には現実化していくための要素やプロセスがあります。このことを基本三数によってホロスコープの占星要素と実際の人間個人にあてはめていけば、リーディング・パターンが見えてきます。そのためには、個々の象意解釈より前に、ホロスコープ、サイン(宮)、ハウス(室)、アスペクト、星や占星点(Astrological Point)といった、占星要素の種類そのもの自体の構成や展開様相を把握して象意を知ることが重要です。




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