宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代のアストロロジー―
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●第1稿 : 2022年10月29日アップ
ひさびさの「社会風潮を読む」です。
現代社会には、大きなジェネレーション・ギャップ(世代間格差)が存在することが、冥王星のこれまでの動きから分かります。
戦後の「団塊の世代」と、高度成長期の「新人類世代」と、平成以降の「友愛精神世代」に大別できます。
「宇宙船地球号」ではありませんが、現在という歴史の転換点の同行人として、過去と未来をつなぐ三世代同居の一端を「冥王星」のトランシットとともにお届けいたします。
「すみっコぐらし」というキャラクターが、今年2022年で10周年を迎え、隅っこというネーミングに似合わずメインに躍り出てきました。
もともと人気はあったのですが、さまざまな著名企業とのコラボや、今年11月には映画化第2弾の「すみっコぐらし:青い月夜のまほうのコ」が公開されるなど営業戦略は活発です。
ゆるキャラブームの先駆けとなった「たれパンダ」の延長戦上にある平成のキャラクターといえるもので、昭和の角度のあるキャラクターとは一線を画します。
戦後のアニメや漫画は「スポ根」(スポーツ根性)ものや「戦隊ヒーローもの」に代表されるように「勝ち負け」が特徴でした。
戦争の風潮が残る敗戦直後や、戦後復興の高度成長期だったので仕方ありませんが、「ここがおちつくんです」といったサブタイトルの「すみっコぐらし」とは、対照的な社会風潮の時代でした。
One-Point ◆ 「歌は世につれ、世は歌につれ」ではありませんが、時代が変われば社会風潮も変わります。良し悪しではなく、現代は時代の変わり目にあるために、その変化が著しく、異なる感性や価値観の世代が混然と同居する複雑な社会になっています。
お気づきの方もいらっしゃると存じます。
戦後の70年ほどをみていくと、そこには世代間の大きな断層が2か所でみられます。
社会風潮からもそういえますし、アストロロジーにおいても冥王星の動きから「ジェネレーション・ギャップ」(世代間格差)が明確にあることがリーディングできます。
代表的には、戦後の「団塊の世代」と、高度成長期の「新人類世代」と、平成以降の名付けて「友愛精神世代」です。
当該世代の全員がそうだというのではなく、特徴をみたものです。
1930年に発見された“ラスボス”「冥王星」の宇宙波動エネルギーが、これに色濃く影響しています。
One-Point ◆ ホロスコープで用いる星のなかで、最も動きが遅く、最も遠い辺縁の星で、最後に発見された惑星が冥王星です。かつては第9惑星とされていましたが、2006年のIAU(国際天文学連合)総会によって、小惑星「ケレス」と同様に準惑星に区分されました。
「冥王星」は太陽系から外れたわけではなく、準惑星に区分されただけです。
IAUが定めた「惑星」の新たな定義から、冥王星は楕円軌道を描き、軌道傾斜角が大きく、第8惑星の海王星の軌道と一部重なるために準惑星とされたのです。
その「冥王星」が1939年から「獅子宮」をトランシットしたとき「世界覇権のディレクション」がもたらされ「第2次世界大戦」が勃発しました。
なぜなら、冥王星の一方の象意“頂点”(権力)と、獅子宮の象意“中心”(王様、皇帝)によって、地上の最高権力となる“世界覇権”の象意が、第8ハウス(室)に冥王星を生まれ持つヒトラーなどによって表層化したためです。
日本においては、敗戦の1945年直後、まだ冥王星が獅子宮の象意の強い前半をトランシットしている最中のベビーブームによって生まれた人々が「団塊の世代」です。
彼らの特徴は、階級闘争という名のもとに、権力闘争や反日闘争を繰り広げる「共産主義運動」の影響を強く受け、安保闘争や学園闘争による青春時代を過ごし、その残滓をいまだに「アベガー」や「マスコミ」に亡霊化させていることです。
One-Point ◆ 現代の若者からみると、“怖い”と感じることがあるキレる老人世代の一部です。全員がそうではありませんが、主義思想による偏った善悪観や、団塊ゆえに生存競争に生き残らざるをえなかった闘争心や自己本位にみえる言動が一因しているようです。
次の特筆すべき世代は、1960年代に生まれた「新人類世代」です。
彼らが社会に出た1980年前後に、それまでの戦前や戦中世代のお国のためまた会社のためといった考え方とは大きく異なる「マイホーム主義」(家庭主義)ゆえに、「新人類」と呼ばれたことに由来します。
この世代の特徴は、「冥王星」と「天王星」の合(コンジャクション=0度)を「乙女宮」に生まれ持つことです。
「冥王星」は“変革”、「天王星」は“改革”、いわゆる類似の象意を持ち、個人的な“完璧性”を象わす「乙女宮」での合=0度によって突出化し、国家や会社よりも個人を優先する価値観をもって自己発揮や社会貢献をするタイプになっていったことです。
かつての社会の常識だった双魚宮時代の“滅私奉公”とは異なる生き方を目指すタイプです。
さらに、その次の世代は「冥王星」が蠍宮を通過していくことで、人知れず1989年に起きた「宝瓶宮時代のビッグバン」とともに、元号が「平成」に変わって以降に生まれた「友愛精神世代」です。
One-Point ◆ これら三世代の間に大きな世代間の断層があります。社会風潮に影響をもたらす「星のディレクション」からリーディングできます。ただし「ホロスコープ」(出生天球図)は一人ひとり異なりますので、同世代のすべての人々が同じだと断定するものではありません。
現代は、考えや価値観が正反対にも異なる三世代が同居する時代になっています。
相応に成人した三世代同居のご家庭におきましても同様だと存じます。
若者や世間一般からみて、団塊の世代の一部が“暴走老人”と思えることは否定できません。
逆にみれば、競争社会を生き延びた団塊の世代からは、隅っこが落ち着くんですといった安心感は、ご自身が生きてきた社会風潮からみれば、「窓際族」といった“敗北者”のように思えるかもしれません。
平成生まれの「友愛精神世代」は、まだ第一期ながら「和」「絆」「民度」をしぜんと備えています。
トップや中心者にならなくても、みんなの中の一人(ワンオブゼム)であっても、お互いに尊重して自分らしく生きられれば、隅っこでも相応に満足できるため、「すみっコぐらし」に共感を持つ方も多く人気のキャラクターになっているのでしょう。
詳しくはわかりませんが、「新人類世代」がかつての「団塊の世代」と新しい「友愛精神世代」との両方にかかわって生活を営なまざるをえないことから、賛否はともかく、それなりに両者を理解することができるかもしれません。
それとも、ご自身の完璧性や潔癖性にこだわりをもたれていて、無意識であってもどちらでもいいのかもしれません。
One-Point ◆ 重要なことは、現在、獅子宮とは正反対の象意を持つ「水瓶宮」の影響圏に「冥王星」が進んでおり、世界覇権とは真逆の“深層の精神意識”に変革をうながしはじめていることです。今後は「友愛精神世代」の第二期が誕生していき、社会風潮はさらに変わっていきます。
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