宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しい西洋占星術―

天王星の“空間域”を超えて
[海王星の“時間域”]
― 太陽系天体の象意の法則性 ―

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講座予告 「配列法則」からみた「ソーシャル・プラネット」

●第1稿 : 2024年 7月 3日アップ



【土星外惑星】(トランス・サタニアン)
その名のとおり「土星」を超えてその外側を回る星たちです。

ホロスコープでは「天王星」「海王星」「冥王星」の3つが該当します。

「宝瓶宮時代の影響圏」に入った1630年以降に発見された星たちで、「土星外惑星」(トランス・サタニアン)のほかに、「小惑星」が発見されています。

その筆頭が、太陽系第7惑星「天王星」の発見から20年後、「海王星」の発見に遡る45年前に、「すわ! 第8惑星の発見か?」と“勘違い”された小惑星番号1番の「ケレス」です。

火星と木星の間の「メイン・ベルト」(アステロイド・ベルト:小惑星帯)の中で最も大きな星で、サイズに関係なく他の天体と同等の象意を持つために、「宝瓶星学」では「ケレス」を含めたリーディングを行ないます。

これら太陽系天体は、「配列法則」に基づいて“空間域”など象意が秩序をもって充てられています。


ホロスコープで用いる太陽系「天体」の象意は、無秩序ではなく法則性があります。

一例を「配列法則」として「宝瓶星学」(通称:宝瓶宮占星学)ではご紹介していますが、その中で“空間域”をみれば地球以遠の天体になるほど大きくなっていきます。

土星外惑星(トランス・サタニアン)の最初の星「天王星」が象わす“空間域”は地上を離れた“空中”や“宇宙”です。

それゆえ「天王星」を共鳴星とする宝瓶宮時代は「宇宙時代」です。

“宇宙”を超える“空間域”はありませんが、では「海王星」は何を象わすのでしょうか。


本記事は、「土星外惑星」(天王星/海王星/冥王星)の象意を論拠解説する講座の前振りです。





《 「木星」の空間域は“海外” 》

パーソナル・プラネットである「火星」の“空間域”は、個人的な“行動範囲”を象わします。

ソーシャル・プラネット(木星/土星/天王星/海王星/冥王星)になると、個人を超えて社会的な“空間域”を象わします。

「木星」は小惑星の「ケレス」を除いて、最もパーソナル・プラネットに近く、夜空でひときわ明るく輝く星であるために、古代ギリシャの「古典アストロロジー」から用いられてきました。

そのため、象意解釈も比較的にこなれており、というか、ホロスコープが発祥した古代ギリシャの当初から19世紀まで、魚宮また双魚宮時代の“支配星”でした。

古典アストロロジーも双魚宮時代も、「木星」の古典的な象意をベースに“天運”を伴ない発展し営まれてきたのです。

ところが、今日では魚宮また双魚宮時代末期の“支配星”は19世紀に発見された「海王星」に変わりました。

それはそれとして、「木星」の“空間域”は「海外」など“遠い世界”を象わします。

One-Point ◆ “遠い世界”といっても厳密には地理的に遠い“海外”にかぎらず、精神的また意識的にも遠い“哲学”や“学問”なども象わします。ただし、後者の象意は、双魚宮時代の終末に伴ない「木星」の古典的な象意になります。



「木星」が“大吉星”とされた理由

●双魚宮時代は、「対立二元論」を歴史パラダイムとして発展してきました。

双魚宮時代の影響圏にあった白羊宮時代の末期に「古典アストロロジー」は始まったため、“支配星”(ルーラー)という言葉を用います。

その意味は「星」が12サイン(宮)や象意を“支配”しているという、今やワケの分からない理由で、“ホロスコープ占い”の現代占星術も、“支配星”という言葉を用います。

宝瓶宮時代の新しいアストロロジー「宝瓶星学」では、「共鳴関係論」を歴史パラダイムとして発展していく宝瓶宮時代ゆえに「共鳴星」と呼びます。

“宇宙波動エネルギー”からみてもそうで、双魚宮時代を発展に導いた“支配星”「木星」は、ゆえ“大吉星”と解釈されてきたわけです。

かつては、それでも間違いではなかったのですが、1989年の「宝瓶宮時代のビッグバン」以降は、正しいとは言えなくなってしまいました。

“吉凶解釈”自体が、心理的にはともかく、○×テストのレベルの解釈ということもあって、現実社会にはそぐわず、大人社会においては、“誤り”といえるためです。


《 「土星」の“空間域”は地上世界 》

次に「土星」です。

法則的に「土星」は木星の“空間域”「海外」を超えるために、それを包括する上位空間の地上全体や“現実社会”を象わす“空間域”を持ちます。

具体的な象意に落とし込めば、“誤魔化すことのできない現実”です。

ただし、「土星」の象意は、地上を離れることはなく、個人にとっては“生まれ故郷”を含めて地上社会に留まります。

さらに言えば、地上社会を運営するために必要欠くべからざる“仕事”や“組織活動”も「土星」の象意です。

かように、生きるうえで重要な“空間域”を持つ「土星」ですが、“大凶星”と解釈された歴史を持つのも事実で、それは次の2点からです。

魚宮や双魚宮時代の“支配星”「木星」また「海王星」とは正反対の象意を持つため。

もう一つは、キリスト教において仕事や労働は“エデンの園でアダムとイブが罪を犯した罰”とする教義と、近代では共産主義思想によって“労働者vs資本家”の対立構造によって、仕事や労働は奴隷的行為とされ、これらの双魚宮時代の通念が現代占星術の解釈に影響しています。

One-Point ◆ 日本は、かつて“日本の常識は世界の非常識”と言われたことがあるように逆で、仕事は仏道に通じ世のため人のためと解釈されてきました。現代占星術は“西洋占星術”と呼称されるように、西洋的価値観が解釈のベースにありますので、「宝瓶星学」が目指す客観性や普遍性とは異なります。






「土星」の解釈は難しいだって?

●かつて「土星を正しく解釈できる占星術師は一流である」と言われたことがあります。

「何言ってるの?」というお話です。

自分たちが勝手に“大凶星”と遠ざけておいて、「土星を正しく解釈するのは難しい」はないのです。

「木星」や「海王星」の形而上的な象意から解釈しておいて、形而下的な「土星」の象意を正しく理解できないのは当然です。

いずれでもいいのですが、エソテリック(秘境的)にはじまった現代占星術は、客観性や普遍性が次第に失われていく運命を持ちます。

双魚宮時代の「リバイバルのディレクションも、残り約1年半で終了します。

すると、宝瓶宮時代が進んでいくほど、さらにそうなっていくさだめです。


《 「天王星」の“空間域”は空宙 》

「土星」の空間域の次は、いよいよ「土星外惑星」(トランス・サタニアン)です。

以前の記事「トータライジング「基本三数」」で天王星の“空間域”に触れました。

「天王星」の“空間域”は地上を離れた“空中”や“宇宙”です。

そのため“飛行機”や“ミサイル”また“ロケット”などの飛翔体も「天王星」の象意になります。

20世紀初頭にライト兄弟が初めて空を飛んでから、70年も経たないうちに人類は月に降り立ちました。

なぜなら、宝瓶宮時代に向かう“宇宙波動エネルギー”と共鳴し休息に発展するためです。

飛翔体はもちろん、身近な事象でいえば電気や電波も「天王星」の“空間域”にかかわる象意で、具体的にはスマホなどの電子機器、またインターネット(ワールド・ワイド・ウエブ)などのインフラもそうで、近年、急速に発展してきた理由はここにあります。

One-Point ◆ 「天王星」が象わす“空間域”はもちろん事物は宝瓶宮時代の“天運”を受けて発展していく歴史的な転換期に現在あります。最近では「スターリンク衛星」により宇宙を経由した広範囲なネット・アクセスや情報共有も進んでいます。




《 「海王星」は“時間域”を象わす 》

「天王星」の次に外側を回るのは「海王星」です。

“空間域”をみた場合、「天王星」が象わす宇宙を超える“空間域”は物理的に存在しません。

では「海王星」の“空間域”は何でしょうか。

物理空間ではなく、空間を超えた超空間すなわち“時間域”を象わします。

表現を変えれば「時空」は一体不可分の関係ゆえに、時空を超越した世界を意味します。

よく知られた言葉でいえば通称「霊界」などもそうです。

そのため“時間軸”を象わす「海王星」は、遠い遠い過去から遥か未来の遠い彼方まで時空を超越して象わします。

例えば、海王星の象意を強く生まれ持っていたり、ディレクション(運勢変化)によって海王星の象意を強く受ける人生期などにそういったことが起こります。

一例を挙げますと、地上の“空間域”を超えた“シリウス”や、“時間域”を超えた“レムリア”など、物理的には不可能な世界を主観的に“体験”することがあります。

One-Point ◆ 主観とはいえご本人にとっては“事実”です。また相手との共鳴関係を築ければ“主観”の共有も可能です。人生体験の一つとして成長につなげていけばよいもので、ただ“事実誤認”と隣り合わせなのは「海王星」の象意である以上、避けられません。



「神観」が異なる日本とキリスト教

●日本人が「神」(god)というとき、キリスト教でいう「創造神」(唯一絶対なる万能の神)とは異なります。

八百万の神で、大自然だったり、高貴なお方だったり、ときに悪神だったり、見えない畏れられる存在を指します。

「宝瓶星学」は、そのような信仰や人為的な解釈ではなく、天体が位置する宇宙の根本法則に基づいて、客観的な解釈を行なえます。

信仰の対象や尊崇の対象となる“神”でもなく、また物理科学でもなく、時空を超越した“宇宙波動エネルギー”による解釈やリーディング・ノウハウです。

基礎理論の「基本三数」(クオリアル・メソッド)からみたとき、太陽系天体は「配列法則」に基づいて“空間域”で表わされる象意を持ちます。


《 「冥王星」の“時空超越域” 》

最後に「冥王星」です。

「天王星」の“空間域”を超え、「海王星」の“時間域”をも超えるのが「冥王星」の“時空超越域”です。

適切に表現できる言葉を知らないので工夫不足ですが、素のままに“時空超越域”と表現させていただきます。

時間と空間によって制約を受ける「物理宇宙」が誕生する以前の世界にもかかわり、地上世界はもちろん霊界などの見えない世界また並行世界(パラレル・ワールド)をも超えた想像すら出来ない世界が「冥王星」の“時空超越域”で、象意の根源となっています。

分かりにくいと思いますので、誤解を恐れずに双魚宮時代の古い社会通念で端的に表現いたしますと、“天地創造の唯一絶対なる神(The God、The Creator)の世界”です。

One-Point ◆ 「土星」までの7つの星は、伝統ある「古典アストロロジー」の古典理論による象意解釈を流用し、現代占星術は“占い”として始まりました。それゆえ相応にこなれた解釈が可能です。ですが、それ以降に発見された「土星外惑星」は、新たな理論なくしては、正しい解釈ができません。ご参考になればと存じます。






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