宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しい西洋占星術―
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●第1稿 : 2024年 9月 3日アップ
よく「水星の逆行」が取りざたされます。
「またか」と思いますが、それだけよく分かっていないといえます。
水星にかぎらず、「太陽」と「月」以外の星はホロスコープ上で“逆行”(レトロ・グラデーション)するため、占断において“当たらない”ことが“逆行”に何か特別な象意があるのではないかと考えておられるのかもしれません。
本当のところ“逆行”に意味はあるのでしょうか。
個々のホロスコープの位置関係、すなわち「アスペクト」(位相、座相:局面)や共鳴関係によって異なり、一様ではありません。
木星以遠のソーシャル・プラネットは、年に1回、当該星からみて「太陽」がホロスコープの反対側を通過していく数か月間に逆行現象がみられます。
一方、パーソナル・プラネットのうち、内惑星の「水星」や「金星」は、年に数回、逆行がみられます。
地球から見て、「太陽」が「水星」や「金星」を追い越していく1〜2週間程度、逆行に見える現象が生じるのです。
もちろん宇宙空間において惑星が逆行などすることはありません。
地球から見た「太陽」との位置関係によって、ホロスコープ上で“逆行”しているようにみえるということです。
One-Point ◆ 星は動き、位置関係によって「宇宙法則」に基づく“象意”がリーディングできます。惑星たちは「太陽」を公転し、常に順行(ディレクション)しており、象意をもたらしていることから「宝瓶星学」では“運勢変化”や“時代変化”を「運勢ディレクション」と呼んでいます。
「運勢ディレクション」(旧称:星のディレクション)という概念は“現代占星術”にはありません。
ディレクション・リーディングではなく、トランシット法などによる“占い”の「未来予測」です。
人生を営んでいくうえで、“運勢変化”や“時代変化”すなわち「運勢ディレクション」は重要で人生そのものにかかわっています。
生まれた瞬間のホロスコープ(出生天球図)一つで、人生のすべてがアストロロジカルに示唆されるわけではありません。
ネイタルは、ベースとしては重要ですが、人生途上においてはそのときどきの「運勢ディレクション」(運勢変化、時代変化)のほうが、直接的に影響し、喜怒哀楽や毀誉褒貶などをもたらしていきます。
One-Point ◆ ディレクション・リーディングなくしてホロスコープ・リーディングは片手落ちです。生まれた瞬間のホロスコープ(出生天球図)はベースとして重要ですが、それだけで人生をリーディングできると考えるのは無謀です。
「運勢ディレクション」といっても、星のトランシット(運行)自体が重要なのではありません。
そこんところはお間違なく。
ダイナミックに“位置関係”が時々刻々と変化していき、諸々の構成要素との相対的な「アスペクト」(位相、座相:局面)によって、意味象意が多彩に付加されていきます。
たとえば、上司と部下でも何でもいいのですが、2人いれば“役職”などの立場は普遍的なのですが、そのときどきで仕事を任されたり信頼されたり、逆に任されなかったり危ぶまれたりと、関係性は適時、変化がもたらされ、その都度ご対応が必要になりまです。
それと同じです。
固定し静止したネイタル・ホロスコープと、日々ダイナミックに位置関係を変えてもたらされていく「運勢ディレクション」は車の両輪のようなもので、日常的には後者のほうが現状ゆえに優先的に対処すべきものになっています。
One-Point ◆ 以前は「星のディレクション」と称していました。ですが、それだと星がもたらすかのように誤解されたために「運勢ディレクション」に改めました。ホロスコープ・リーディングで重要なのは“星”の象意ではないからです。
地球から見て“逆行”にみえるとき、象意はどのように変化するのでしょうか。
星自体の象意は変化しません。
ただ逆行によって、ほかの「構成要素」との間に近接や離反など位置関係(アスペクト)の変化が生じます。
それが日々、変化発展をもたらす重要な象意です。
ですが、順行であろうと逆行であろうと、象意的には通常のアスペクト(位相、座相:局面)に基づいて解釈すればよいだけです。
さらには、必要に応じて象意の強弱を加えつつ解釈を行なえばよく、通常の解釈を変える必要はありません。
宇宙はシンプルで、人間が“複雑”に考えて“誤認”をしているのです。
パーソナル・プラネットはさほどではないのですが、重要なのは運勢的に大きな影響力を持つソーシャル・プラネットの“逆行”です。
One-Point ◆ パーソナル・プラネットというのは、個人的な象意の「太陽」〜「火星」まで5つの星です。人生経験を積むほど次第にコントロールできるようになります。一方、「木星」〜「冥王星」までのソーシャル・プラネットはそれが難しいのです。
ホロスコープ・リーディングの解釈で最も重要なものは何でしょうか。
学びはじめは「どのような象意を持つのか」からはじまります。
そして漸次、リーディングのノウハウを深めていくことになります。
そこで終わりではなく、最も重要なのは、次の段階で、何のためのリーディング解釈かなど“人生観”が関わってきます。
このとき、古代ギリシャの「古典アストロロジー」の場合、“熱冷乾湿/火土風水”といった古代の“世界観”をベースにしていました。
“世界は4つの元素からできている”「四大元素説」です。
しかし、宝瓶宮時代は「宝瓶星学」でいう“宇宙観”「クオリアル宇宙観」がポイントになります。
実在の宇宙は“クオリアル”だからです。
ゆえに、一つの分野に拘泥してリーディングしてしまうと、古代カルデア人による“ホロスコポス”から派生した「ホロスコープ」ながら、“ホロ”(全体)+“スコープ”(覗く)ともいえることから、正しい解釈ができずに人生に適応させることができせません。
もし、精神的なスピリチュアル一択(一例:吉凶解釈)や、物理的な世界観に偏った物質解釈がインプリンティングされると、前者ほど理由あって抜け出すのが難しくなります。
今後の宝瓶宮時代は「クオリアル宇宙観」なくしてホロスコープを活かすことはできません。
One-Point ◆ “逆行”に秘められた本当の意味は次のとおりです。個々人も歴史も行きつ戻りつしつつ発展していくのと同じです。そこで言える一例は“逆行”によって次のステップへ成長のための“猶予”がもたらされることがあるということです。
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