宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しい西洋占星術―

空間軸と人間軸との関わり
―フレームワーク入門2―

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ホロスコープは個人にどこまで影響するのるか?

「時間軸」の本質が、意志だと分かったところで、次は「空間軸」と「人間軸」を解説いたします。 これらの三軸とホロスコープの関係も述べてまいります。既成の観念を取り払わないとご理解できないところがあるかもしれませんので、まあ、お気軽にどうぞ。

●第1稿 : 2006年05月03日アップ
●改訂稿 : 2007年04月18日アップ
●再改訂 : 2008年05月05日アップ


●前ページ「宝瓶宮占星学4.フレームワーク/ホロスコープの三要素と時間軸」で述べたとおり、「時間軸」の本質は「統合的な宇宙意志」です。
この「宇宙意志」と「人類の総合的な意志」との絡み合いで人類歴史は作られてきました。
「人類の総合的な意志」が、「空間軸」と「人間軸」の本質です。詳しくは本文から、ご賢察ください。

《 空間軸(1)=限られた人間社会空間 》

「空間」とはなんでしょうか?
巨大な大宇宙空間の中で、人間に与えられた生存空間は地球しかありません。
その地球を、リンゴの大きさに例えれば、生存可能な範囲は、表面の薄皮一枚の平面でしかないのが実状です。
そこに65億の人類が、国境を定め、会社や学校や家庭といった人為的な枠をつくって生活しています。
「時間」と比べて、人間の意志で比較的自由に動ける「空間」ですが、それでも、動ける空間は、かなり限られています。 通常は会社に関わる仕事関係や、家庭をベースとした地域などの範囲でしかありません。
インターネットによって、瞬時に世界のサイトにアクセスしたり、メールも可能ですが、あくまでも情報のみです。
結局、人間にとって「空間軸」というのは、巨大な宇宙空間ではなく、生活不能な空中や海の中でもなく、またバーチャルな観念の世界でもありません。
日常生活を営む家族、友人、学校、会社、地域社会のことで、広げても国家や世界といった「人間社会」に限られます。

One-Point ◆ 余談ですが、宝瓶宮時代が進むにつれて、この空間に属する人為的な枠は、次第に取り払われていきます。インターネットは、その手始めです。今後、人類は友愛社会への実現に向けて変わっていきます。友愛社会とは、自由な行動可能範囲や空間の拡大を意味します。

「空間軸」の本当の意味

●「数理法則」から導き出される「空間軸」の本当の意味は、「実体」を表します。難しい言い方をすれば「時間軸」の表現が「空間軸」です。
「空間軸」は、正確には宇宙空間全体のことですが、人間を見れば人類社会になります。個人では身体です。詳しいご説明は、「数理法則」のときに行なう予定です。

《 空間軸(2)=ホロスコープはどこまで… 》

では、ホロスコープとの関わりから「空間軸」を考えてみましょう。
最初に簡単な例え話をします。
――「あなたは、大勢の人と一緒に飛行機に乗っています。
楽しい家族旅行や、商談がまとまった出張帰りの上司と一緒の会社員もいます。
多くの人が座席で快適に過ごし、思い出話をしたり、映画を見てくつろいでいます。
ところが、突然、何がなんだか分からないまま、空中に放り出されました。
大事故が起きたのです。
あなたや、家族、会社員の人々の運命は書かないことにしましょう。
飛行機が突然レーダーから消えた原因は、機長の操縦ミス、整備不良によるトラブル、テロによる機内爆発、他の飛行物体との衝突、といったことが考えられます。
いずれにしても、このとき、あなたや家族や会社員といった乗客の運命は、完全に他人の手に委ねられたことになります。
いったい、誰のどのようなホロスコープの影響で、乗員や乗客がこのような事故に遭ったのでしょうか?
分かることは、「運」は、個人のホロスコープ一つの問題ではない、ということです。

One-Point ◆ 分かりやすくするために少し極端な例を書きましたが、自分だけの問題でない出来事は、日常茶飯事です。所属する組織のトップや直属の上司の交替が与える影響。交友関係のトラブルが自分に与える影響。家庭で起きた喜怒哀楽の感情や変化が家族全員に及ぼす影響。大きくは国策の変更や、国際情勢によって影響を受けることもあります。

《 言われてみれば当たり前のこと? 》

ここまで書いて、意味はお分かりでしょうか?
個人の運命を読み解くには、生まれたときのホロスコープだけでなく、時代潮流という「時間軸」からの影響や、社会環境という「空間軸」の影響を考慮しなければならないということです。
そういう要素が、自分自身の運勢に関係しているということです。
まぁ、当たり前のことでしょ?
そういう当たり前のことが、西洋占星術の解読書にはほとんど書かれていません。
宝瓶宮占星学の場合、「実学」ですし、現実社会に役立つリーディングを目指していますから、ホロスコープ(出生天球図)の内容が、いったいどこまで個人に影響するのか見極めないといけないのです。
西洋占星術が知らずに陥っている「ホロスコープ万能信仰」のままでは、宝瓶宮時代が進むにつれて、使い物にならなくなると考えています。

One-Point ◆ 何度も書きますが、双魚宮時代の西洋占星術は、良くいえば「純粋」、悪くいえば「混沌」としているのです。かつての「純粋」さを失った今日の西洋占星術は、もはや「混沌」を深めるしかありません。

一体不可分の関係にある「三軸」

●「時間軸」の表現が「空間軸」なのですが、人間にとっての「空間軸」は人類社会を指すと書きました。
この人類社会は、個々人の集合体であり、「人間軸」の関係によって成り立っています。
ですから「空間軸」は、「人間軸」によって構成されているわけです。
「フレームワーク」でいう「時間軸」「空間軸」「人間軸」は、このように一体不可分の関係です。
ここにホロスコープをより正しくリーディングする考え方のヒントがあることにお気づきでしょうか?

《 人間軸(1)=最も自由な精神分野 》

最後に、「人間軸」について書きます。
運勢を読み解くためのフレームワークは、「時間軸」「空間軸」「人間軸」から構成されています。
これはホロスコープ作成に必要な三つの要素、「生年月日」「出生場所」「本人」と同じであり、リーディングの際に考慮すべき三大ポイントだと前ページで既述しました。
その中で、「人間軸」というのは、個々人の実力や能力のことであり、心の持ち方です。主に、意志や人格や見識といった精神的な成長に関する部分です。
「人間軸」は、まったくもってほぼ100%、個々人の自由に扱える裁量権や、自己責任に委ねられた分野です。
自分の内面の精神的な成長は、社会や人のせいではなく、まったくもって自分が自分の「心」に積んでいかなければならない「責任」だということです。
ただし、成長には「時間」や「空間」が必要です。
生まれたての本能のままに近い赤子も、自分の感性や感情のままに言動する幼児も、少し社会のしきたりや周囲との関係を身につけてきた生徒や学生も、いずれは法的な成人の男女として自律し成長していきます。
時間とともにしぜんと成長する肉体や年齢ではなく、ここでは個々人の精神的な成長度を主に指していることをご理解ください。
それが「人間軸」だということです。

One-Point ◆ 「人間軸」と書くと、どうしても人間社会そのものを考える人がいるかもしれません。確かにその一面はあるのですが、それは結果です。「空間軸」の側面です。まずは自分自身の心のもち方や在りように始まるので、そこが「人間軸」となっています。

《 人間軸(2)=心の成長度によって変化する 》

では「人間軸」とホロスコープの関わりを書きましょう。
星の位置や配置が象わす自存波(影響=象意)の原則は、いつの時代も、あなたが何歳になっても変わりません。
しかし、時代や人間社会、受ける人間側の心の成長度や対応によって、現われる結果が変わってきます。
単純に言えば、心の未熟な子供のときほど、星の影響力をストレート受け、歳を経るにしたがって上手にコントロールできるようになります。
単純に言えば、そういうことです。
いくらいろんな経験をして歳をとっても、そこから学んで学習し、精神的な内面の成長をしていなければ意味がありません。
分かりやすくいうと、心の持ち方が間違っていたり、自制心がなく自分をコントロールできなかったり、見識や心の成長度が低かったりすると、歳を経ても、星の象意を正しい方向に活かせずに、当人にとって「不運」として現われることが多くなります。
このことは、ある程度、西洋占星術を深く実践してきた方なら、多少なりとご理解していると思います。なので、これくらいにしておきましょう。
要は、「運」「不運」は、星の象意に基づいて、その人の経験学習度や心の成長度によって変わる、ということです。であれば、ホロスコープのリーディングを行なう際には、そのことを考慮しなければならないのは当然でしょ?

One-Point ◆ 歳を経ても心の成長度が低いと、もっと怖い出来事も起こりえます。先に述べた「宝瓶宮占星学-2.自存波仮説/占星学と存在の基礎」から、自存波に最も近い人間の心は、ときには星と同じように、他の人の自存波と共鳴して、影響を与えたり受けたりして作用することがあります。怨念は怨念と、感謝は感謝と共鳴して、「不運」や「幸運」をもたらすのです。自分の心の成長度が高いほど自存波の影響をうまくコントロールできるようになります。


※次に「フレームワーク入門」のまとめとして、ホロスコープとの関係を述べましょう。

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