宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しい西洋占星術―
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西洋占星術では、ほとんど語られることのないお話です。
なぜなら、「宝瓶宮時代」の影響圏に入って発見された星たちだからです。
逆に「宝瓶宮占星学」や「数理法則」では、重要なスタンスの星たちです。
●第1稿 : 2020年02月20日アップ
※近々一部リライトすることがあります。
新しくはじまった「宝瓶宮時代」にとって、3つの「土星外惑星」(トランス・サタニアン=天王星、海王星、冥王星)は重要です。
なぜなら、宝瓶宮時代の影響圏に入って発見された「メイン・プラネット」であることはもちろん、発見後、ホロスコープを周回していく“期間”は、人類を「宝瓶宮時代」へと導く「星のディレクション」をもたらし続けるためです。
西洋占星術は、土星の外側を公転する天王星、海王星、冥王星の「土星外惑星」(トランス・サタニアン)を、どこか“オカルトチック”に解釈することが多いようです。
理由は、「海王星」発見後に、西洋占星術は「古典占星術」の理論を捨てて、神智学協会の「神秘占星術」(星占い=オカルト占星術)としてスタートしたからです。
要は、海王星発見の影響(象意)によってはじまったその後の世界的2大ムーブメント、「共産主義」と「スピリチュリズム」(心霊主義、神秘主義)の後者に西洋占星術は位置づけられます。
一方、「宝瓶宮占星学」は、宝瓶宮時代が正式にはじまったのち、「数理法則」を基礎理論として、「古典占星学」と「西洋占星術」を一から新たに“再構築”してはじまりました。
一般的には、わかりやすく“宝瓶宮時代の新しい西洋占星術”としてご紹介していますが、正しくは「双魚宮時代」の“最先端科学”だった古代ギリシャの世界観「四大元素説」によって体系化された「古典占星学」にかわるものです。
宝瓶宮時代の新しい宇宙観「数理法則とクオリアル・ワールド」によって、ホロスコープを“再解釈”(再構築)したものが「宝瓶宮占星学」になります。
つまるところ、基礎理論のない「西洋占星術」とは本来、一線を画します。
というか、言い換えれば、有象無象の“正体不明”となった混迷する昨今の西洋占星術に、「数理法則」という1本のバックボーン(背骨)をとおして、「白羊宮時代」の正統な実学、古代メソポタミアのカルデア人による「ホロスコポス」(星の見張り人)に戻して、現代に“とき”を告げるのが「宝瓶宮占星学」です。
ご存じのように、古代ギリシャの「古典占星学」は、四角い「ホロスコープ」を生み出して、人間(個人)を“リーディング”できるパーソナルなものになりました。
それが、社会や国家を“占う”ようになったのは、宝瓶宮時代の影響圏において「土星外惑星」(トランス・サタニアン)が発見されたからです。
One-Point ◆ 「宝瓶宮時代」の影響圏は、ガリレオの時代1630年頃にはじまります。宝瓶宮時代の共鳴星は18世紀に発見された「天王星」です。双魚宮時代の共鳴星は、今でこそ19世紀に発見された「海王星」ですが、それ以前の古典占星学の時代は「木星」でした。20世紀になって“両極端”の象意をもつ「冥王星」が発見されます。これら「土星外惑星」(トランス・サタニアン)は、個人を超えて世界的また歴史的な“象意”をもつために重要です。
「土星外惑星」(トランス・サタニアン)の影響は、「天王星」は相応ながら“宝瓶宮時代の影響圏”にとどまりません。
宝瓶宮時代が正式にはじまった1989年以降も、宝瓶宮時代の社会態勢を形成していくのに、重要な“歴史的ディレクション”をもたらしています。
でなければ、「宝瓶宮時代」の影響圏に発見されていないのです。
“宝瓶宮時代の影響圏”に入るまで、約1,800年ほどを経ていた「双魚宮時代」は、双魚宮時代の“25度”を迎えた西暦1630年頃から、宝瓶宮時代の人類社会に向けて確実に動きだしました。
それを象徴的に決定づけたのが、「アメリカ独立戦争」の最中、1781年に発見された「天王星」です。
これによって人類社会は、詳しくは後述いたしますが、“支配/被支配”の双魚宮時代から、国民個人の“自由”と“個性”を求め尊重する“友愛精神”の「宝瓶宮時代」へと、徐々にかじをきっていきます。
なぜなら、「天王星」(水瓶宮、宝瓶宮)は、そのような「個人」の“自由”と「民主社会」の根底にある“和、絆、民度、友愛精神”といった象意をもつからです。
とくに、発見後、天王星がホロスコープを1周する約83年間(1781年〜1864年頃)は、その“キッカケ”づくりとなる顕著な出来事を、人類社会にもたらすディレクションを天王星は投げかけてきました。
お話は跳んで、「天王星の世紀」といえる時期を書きますと、今後12年間2032年頃まで、「宝瓶宮時代」に向けた意識や社会の“改革”をうながしていきます。
そのような“新機軸”をもたらす「天王星」と“対”といってもいいような役割を果たすのが、1801年に発見された「ケレス」です。
「ケレス」は、火星と木星の軌道のあいだに集まる小惑星や星屑たちによって形勢された「アステロイド・ベルト」(小惑星帯)のなかで、もっとも大きな準惑星で、人類が発見した最初の小惑星でもあり、当時は天王星につぐ“第8惑星”とさわがれました。
もちろん、第8惑星ではなく、また土星外惑星でもありませんが、天王星につづくケレスの発見によって、「古典占星学」の理論体系は命脈を絶たれ、“古典占星術”として延命をはかる肩身の狭い存在になったといえます。
One-Point ◆ 「ケレス」発見当時の天体望遠鏡の性能では、ケレスの光がボヤけて大きく見えたことから、“第8惑星”と勘違いされたようです。「天王星」の発見からわずか20年後のことで、本来の第8惑星「海王星」が発見されたのは、それから約45年後のことです。さらにその後、「冥王星」の発見には84年を要します。このような“宝瓶宮時代の影響圏”に発見された星々は、新たな「宝瓶宮時代」の幕開けをうながすものになっています、
●国家主権の簒奪を目指す共産主義は、国家の概念をもつ「国民」という言葉を嫌います。
彼らは、“共産主義世界革命”による統一“独裁”を思想的視野に入れていることから、国家概念のない“人民”ということばを使います。
そのため、リンカーンの言葉を“人民の人民による…”と訳したのは、共産主義思想にかぶれた学者で、主権(統治)のない国家はありえませんので、このときの「people」は“人民”ではなく「国民」が正解です。
もっとも、反日的な共産主義者や政党は、中国や北朝鮮のような“人民”という言葉を使わず、かといって反国家革命思想ゆえに「国民」という言葉も使わず、もっともらしく“市民”をもちいます。
これは○○市の「市民」といった各地域の細胞活動からもきています。
そのため、マスコミなどで“市民団体”が陳述や反対などというとき、反日共産主義者や政党のプロント組織の可能性が高いのです。
これに対して、良識派は「国民組織」という言葉を用いることが多いようです。
では、一連の流れを時系列でご紹介いたします。
白羊宮時代は省略して、「古典占星学」をはぐくんだ「双魚宮時代」と、その影響圏にあった「古代ギリシャ」からはじめます。
【古代ギリシャ】
「双魚宮時代」が紀元前171年頃に正式にはじまる直前、白羊宮時代(はくようきゅう じだい)の末期にあたる“双魚宮時代の影響圏”は、およそ紀元前6世紀〜紀元前2世紀の時期になります。
この時代、古代ギリシャの賢人たちは、人類に新たな“叡智”をもたらしました。
その叡智は、白羊宮時代の天体観測、「ホロスコポス」(時の見張り人:カルデア人)による肉眼でも確認できる「太陽〜土星」までの7つの星を用いて、「四大元素説」をベースにした“四角いホロスコープ”、すなわち「古典占星学」を“学問”(Astorogy=アストロジ−:天体学)として体系化するにいたりました。
【宝瓶宮時代の影響圏】
当時の魚宮また双魚宮の共鳴星「木星」の象意にもとづいて、双魚宮時代はキリスト教をはじめとした“世界宗教”を生み出し、その後の人類文化歴史を築いていきます。
その流れが具体性をもって変わりはじめるのは、双魚宮時代の“25度”を迎えた西暦1630年頃からでした。
理由は、人類歴史が“宝瓶宮時代の影響圏”に入ったからです。
宗教権威への疑問や近代科学の考え方など、「宝瓶宮時代」の新しい価値観が広まっていくとともに、主観的な中世の宗教一辺倒から、客観的な科学的思考や自由を求める出来事が急速に生じていくようになります。
ちなみに、1630年というのは、天体学者(数学者)でもあり占星学者でもあったケプラーが亡くなった年で、また“地動説”をおおやけにとなえて宗教裁判にかけられたガリレオによる「近代科学」の認識が幕が明けていった時代です。
【天王星の発見】
1630年から約150年後、「アメリカ独立戦争」の最中に、それまでの天体学の概念を打ち破る第7惑星「天王星」が発見されます。
1781年のことです。
天王星が、「双魚宮時代」から「宝瓶宮時代」に向かう人類歴史のプロセスで、「古典占星学」をふくめどんな影響をもたらしたのかは、後述の「天王星の世紀」をご高覧ください。
【ケレスの発見】
天王星の発見から20年後、19世紀の幕が明けた初日、1801年1月1日に、当初“第8惑星”と騒がれた「ケレス」が発見されます。
ですが、発見した天文学者(数学者)また神学者の「ピアッツィ」は、2月11日の観測を最後に見失い、そののち病に倒れます。
再び発見されたのは、天文学者(数学者)で物理学者でもあった「オルバース」らで、同年12月31日のことでした。
「ケレス」の“発見”と“再発見”が、天文学者(数学者)なのは当然として、最初の発見が“神学者”でほどなく病に倒れ、新たな発見者が“物理学者”というエピソードは、“宗教から科学へ”といった「ケレス」の役割を象徴しています。
いわば、「双魚宮時代」(古典占星学):宗教時代の“消滅”と、「宝瓶宮時代」(宝瓶宮占星学):新たな科学の時代への“ポテンシャル”をケレスは象わしているわけです。
【海王星の発見】
ケレスの発見から45年後、実際の第8惑星「海王星」が発見されました。
1846年のことで、天王星の軌道計算によって特定されました。
このとき、人類歴史をゆるがす出来事が起きています。
1848年にはじまった『共産党宣言』の発刊がその一つで、のちの「共産主義革命運動」として世界に広がっていきます。
もう一つは、アメリカの「フォックス姉妹事件」に端を発する「近代心霊主義」(スピリチュアリズム)で、こちらもイギリスをはじめ日本など世界的なブームになりました。
詳しくは、「海王星の世紀」で後述いたします。
【冥王星の発見】
さて、最後は、海王星の発見から84年後、天王星の発見からだと約150年後の「冥王星」の発見です。
それは、1930年のことでした。
ローマ神話において冥府を司る「プルート」がその名前の由来で、日本では“幽王星”も候補にあがりましたが、「冥王星」と命名され、中国もこれにならっています。
冥王星は、アメリカ人が発見した唯一の惑星だったのですが、IAU(国際天文学連合)の思惑もあって、2006年プラハでの第26回総会によって“準惑星”に格下げになりました。
これは、冥王星の象意らしい出来事で、多分、100年後の2120年頃前後あたりまでには、“二重惑星”の「カロン」とともに惑星として復活するでしょう。
【宝瓶宮時代のはじまり】
冥王星の発見から約60年後、人知れず「宝瓶宮時代のビッグバン」が起きます。
「宝瓶宮時代」の正式なはじまりで、日本では元号が「昭和」から「平成」に変わった1989年のことでした。
この1989年をメインとした前後には、世界のパラダイムを変える出来事が各分野で起きています。
代表的には、双魚宮時代の歴史パラダイム“対立二元論”の終わりを象徴する、米ソを両盟主とした「東西冷戦」の終結宣言が1989年のことです。
東西を隔てた「ベルリンの壁崩壊」も1989年のことでした。
One-Point ◆ 双魚宮時代は終わりましたが、現実問題としては、その残滓はしばらく続きます。また、ホロスコープを1周した海王星は、その2010年前後から魚宮の影響圏をふくめて「魚宮」をトランシットしたことから「双魚宮時代のリバイバル」のディレクションがはじまりました。それが“AIIB”(アジアインフラ投資銀行)や“一帯一路”など、中国による「共産主義の亡霊」の復活です。ちなみにこのディレクションは昨年2019年がピークで、中国共産主義は建国後、約72年ほどで“命運”が尽きるのが星による定めです。
「土星外惑星」(トランス・サタニアン)は、1989年の「宝瓶宮時代のビッグバン」を迎えるべく、どのようなディレクションを投げかけてきたのでしょうか。
また、「宝瓶宮時代」が正式にはじまってのち、双魚宮時代の社会体制から宝瓶宮時代の社会体制に移行していく「イン・ジ・アクエリアス」の過渡期において、どのようなディレクションを人類や個人に投げかけていくのでしょうか。
宝瓶宮時代の影響圏に入って発見された「土星外惑星」(トランス・サタニアン)は、当サイトでもお伝えしてきましたように段階的なディレクションを投げかけていきます。
“人間の意志”の反映もありますので、実際は紆余曲折をともないつつ、最終的には「宝瓶宮時代」の社会態勢を築く方向で進んでいきます。
“紆余曲折”が起こるのは、人類歴史は“失敗”しないと学べない一面があるためです。
なので、必ず“反面教師”のような勢力が、未来に向かう歴史を捻じ曲げて、“混乱”を起こしますが、最終的には「星のディレクション」にそった方向に動いていきます。
なぜなら、「星のディレクション」にともなう“天運”がそこに働くためです。
もし、人類全体がそれにそむく判断や行動をした場合、さらに激烈な“大混乱”の出来事が待っています。
なので、先進諸国の為政者や良識人は、それを避けようとする精神意識(霊性)が働き、行動していくのがふつうです。
もっとも、その“精神意識”(霊性)や“神”存在を否定する“無神論的”な隠れ“共産主義者”(社会主義者)また“反日主義者”や“反米主義者”は、その良識的判断を阻害する言動をとりますのでご注意が必要です。
こむずかしいお話はともかく、結論的に申し上げますと、「天王星」「海王星」「冥王星」の発見後、それぞれの星が「ホロスコープ」を1周して12サイン(宮)をめぐる期間は、「宝瓶宮時代」に向けた動きの“意志”(キッカケ)を人類や個人にもたらす「第1段階のディレクション」になります。
その後、3周したあたりでその「役割」を一段落していくことになります。
1781年に発見された「天王星」の場合、ホロスコープを3周するのは、2031年or2032年で、今から約12年後です。
宝瓶宮時代に向けた“改革”の役割(ディレクション)を一段落し、以降は“新発見”や“未来創出”のディレクションに向かいます。
One-Point ◆ 上述のように1周めは、その星による「宝瓶宮時代」へ向かう“意志”を働きかけるディレクションです。2周めや3周めにもそれぞれ方向性がありますが、宝瓶宮時代の新しい宇宙観「数理法則とクオリアル・ワールド」伝授講座をご受講の皆さまであれば、簡単にご推測できると存じます。
●「土星外惑星」の場合、太陽を1周する“公転周期”と、「ホロスコープ」の12サイン(宮)を1周する期間に、相応のズレが生じます。
「天王星」の場合、公転周期は84.25年なので、1年2か月ほど「ホロスコープ」のほうが短く、約83年で1周します。
「海王星」の場合は、2年3か月ほど「ホロスコープ」のほうが短く、「冥王星」の場合は、3年5か月ほど短い期間で1周します。
ここからは、「天王星」「海王星」「冥王星」の3つの土星外惑星(トランス・サタニアン)がもたらす“時代”をアバウトにご紹介してまいります。
天王星は「アメリカ独立戦争」の最中、1781年に発見されました。
「アメリカ」自体は、イギリスからの宗教をはじめとした“自由”を求めて、今から400年前の1620年に、66日間をかけて新大陸“アメリカ”にわたってのち歴史がはじまります。
船の名はメイフラワー号で、イギリス国教会(アングリカン)の弾圧を受けたピュータン(清教徒:プロテスタント)102名と乗組員を合わせて約130名ほどでした。
彼らが、その後のアメリカを代表するWASP(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)の元祖で俗にいう生粋のアメリカ人です。
ちなにみ、“宗教”、“自由”、“航海”、“海外”といえば、双魚宮時代当時の共鳴星「木星」の象意で、現在も「射手宮」の共鳴星でもあるために、アメリカ人の根っことなる“民族性”は「射手宮」によって象わされます。
かつての陽気なヤンキー気質やアメリカン・ドリームは、それが具現化されたものです。
独立以前のアメリカは、本国イギリスからの干渉を受けるなか、ついに「アメリカ独立戦争」(1775年〜1783年)をはじめます。
このとき、“自由”や“個性”また“自立”(信念)などを象意にもつ「天王星」が発見された1781年に、フランスの助けもあって事実上、イギリスに勝利し、その2年後の1783年のパリ条約によってアメリカの独立は認められます。
それゆえ、アメリカの“国体”は、日本と同じく天王星を共鳴星とする「水瓶宮」です。
ちなみに、「天王星」が発見されたホロスコープ上の位置は、アメリカの現体制「蟹宮」の影響圏に入る直前、「双子宮」24度の位置でした。
天王星は、直後に起きた「フランス革命」(1789年〜1799年)にも影響します。
なぜなら、国民の権利を求めた“自由・平等・友愛”のスローガンは、天王星の象意とも共通することからそれがわかります。
天王星の発見後、ホロスコープを1周した最初の83年間(1781年〜1863年)が第1期「天王星の世紀」で、リンカーンの奴隷解放宣言(1862年or1863年)で知られる「南北戦争」(1861年〜1865年)までの時期です。
このときリンカーンは、ゲティスバーグにて、歴史に残る「国民の国民による国民のための政治」といった有名な演説を1863年に行ないました。
そのリンカーンも、「天王星の世紀」が2周めに入ろとする2年後、1865年に暗殺されます。
One-Point ◆ 結局、天王星の発見は、双魚宮時代の「専制王権」や「宗教権威」による“支配/被支配”から、国民個人の自由と権利が保障された「自由民主主義体制」(国民主権)への“レジ−ム・チェンジ”(体制変化)をもたらしました。
「海王星の世紀」は、海王星が発見された1846年にはじまります。
上述しましたように、人類歴史を揺るがす2つの大きな出来事が海王星の象意“非現実的夢想”に基づいて生じています。
一つは、アメリカのニューヨーク州北端のハイズビルで、フォックス姉妹に起きた“ラップ現象”(ポルターガイスト現象)で、「イエス」なら1回、「ノー」なら2回というように音による霊との交信が大反響を呼んだ出来事で、1848年のことでした。
この出来事をきっかけに、近代心霊主義(スピリチュアリズム)は、イギリスをはじめ世界に広がっていきます。
日本でもホラー映画「リング」の主人公“貞子”の母親のモデルとなった御船千鶴子(1886年〜1911年)が15歳頃から透視能力を発揮し評判になっていきます。
大本(教)の開祖「出口なお」(1837年〜1918年)や天理教の教祖「中山みき」(1798年〜1887年)らの神懸りが相次いだのもこの時代です。
「心霊主義」は、19世紀後半にイギリスなどのハイソサエティーで「交霊会」(降霊術)が盛んに催され大ブームになるなど、当時の人々の関心を集めていきます。
一方、ハイズビル事件と同じ年、ドイツでマルクスとエンゲルスによる『共産党宣言』が刊行(1848年)されました。
工業化時代がはじまった当時、企業経営などの“資本家”(ブルジョアジー)と雇われた“労働者”(プロレタリアート)の格差は大きくなるばかりでした。
そのため、“万国の労働者よ団結せよ”とばかりに、誰もが平等な生活を夢見た“共産主義理想社会”が訪れることを“歴史の必然”と夢みて、弁証法(理屈、詭弁)によって著わし、既存権力の崩壊と労働者の社会が歴史的に訪れることを縷々、述べたのです。
当時の虐げられた労働者が、その(理論上の)“理想”を信奉し、“夢”や一縷の“希望”を見出す一方、そんな共産主義思想を利用して、“権力奪取”を謀ろうとする野心家がいたのも事実です。
結局、「共産主義革命」は、思想(理論武装)だけではムリで、「武力」(暴力)でしか成しえないとするレーニン主義と合わさり、実際の運動は“武力肯定”(軍事力)の「マルクス・レーニン主義」になっていきます。
両者は、“スピリチュアル”な心霊世界と“政治経済”による現実との両極に位置すると思われがちですが、いずれも「海王星」の象意によって、まだ見ぬ世界、すなわち“死後の世界”(霊界)と“共産主義世界”(理想社会)が確実に訪れると信じ、思い描いている点で共通しています。
厳密にいえば、海王星の象意は、半分の“真実”と半分の“妄想”から成り立っています。
その特徴は、本人たちは妄想とはツユとも感じず、“絶対真理”と思い込んでしまう働きを海王星はもたらすことで、それゆえ前者は“グランディング”を失い、後者は自らが否定する“宗教”すなわち無神論の“共産主義信仰”に陥っていることに気づかないのです。
早いお話が、我知らず“マインド・コントロール”や“洗脳”されているのです。
もっとも、「海王星」の影響だけなら、形而上的な“想い”の世界にかんする象意なので、さほど実害はありません。
【海王星+冥王星の“狂気面”】
ところが、その後、「冥王星」が発見されたことで、事情が大きく変わってきます。
冥王星の“両極端”の象意にそって、純粋に“真実”にコミットする人がいる一方で、世俗の“権力”を志向し、目的のためには手段を選ばず、“国家主権”の奪取と、共産主義世界革命による“世界覇権”に向かう共産主義者が現われました。
その代表が、1917年のロシア革命で誕生した旧ソ連です。
また、その指導支援を受けた世界半数の当時の国々であり、現在に続く北朝鮮や中国などの“共産主義国”(社会主義国:独裁国家)です。
その動きも、“対立二元論”の「双魚宮時代」が終わり、「宝瓶宮時代」が正式にはじまった1989年の「宝瓶宮時代のビッグバン」によって、東西冷戦の終結と、続く「ソ連」の崩壊によって一段落します。
そして、海王星がホロスコープを1周した2010年1月、約164年続いた第1期「海王星の世紀」は終わった、…かに見えました。
ところが、同時に、それはもともと“魚宮の影響圏”である「水瓶宮25度」で発見された「海王星」が、魚宮の影響圏をはじめ2012年に正式に「魚宮」に入宮してトランシットしていくことによる「双魚宮時代のリバイバル」のディレクションのはじまりでもあったのです。
現実社会においては、翌2013年、オバマ米大統領のマヌケな「米国は世界の警察官ではないとの考えに同意する」との発言によって、米国に軍事力行使の意志なしと判断したプーチン「ロシア」や習近平「中国」の“武力覇権”(共産化)の行使につながっていきます。
これによって、“共産主義の亡霊”(中国)が復活してきたのです。
ただし、「双魚宮時代のリバイバル」のディレクションは、昨年2019年をもって、そのピークを越えました。
今後は、「宝瓶宮時代」に戻っていくにしたがって、衰退していくしかありません。
結局、第1期「海王星の世紀」は、「双魚宮時代のリバイバル」によって、2025年まで延長になりましたが、今後は「海王星」本来の“美しい象意”によるディレクションに、漸次ながら戻っていくしかない現状です。
One-Point ◆ 上述の意味は、占星学的には、海王星の発見による「心霊主義」(スピリチュアル・ブーム)とともに「神智学協会」の占星術支部からはじまった西洋占星術(オカルト的占星術)は、昨年2019年の双魚宮時代のリバイバルをピークとして、今後は漸次、衰退していく可能性が高いことを示しています。
冥王星は、第一次世界大戦(1914〜1918)と第二次世界大戦(1939〜1945)の狭間の1930年に発見されました。
冥王星の公転周期248年からみまると、今年2020年は、ようやく90年が経ったばかりです。
ただし、ホロスコープからいえば、発見された「蟹宮」17度から90周年の今年は「山羊宮」23度まで、半分以上をトランシットしています。
なぜ、このようなことが起こるのかというと、太陽からの距離である“近日点”と“遠日点”の差(離心率)大きい楕円軌道を描いているためです。
「宝瓶宮時代」が正式にはじまった1989年は最も太陽に近い“近日点”を通過し、この前後、1つのサイン(宮)にとどまった期間も短いために、急激な“変革”のディレクションが生じる時期でした。
ちなみに、このとき「蠍宮」を12〜13年ほどで通過し、正反対に位置する「牡牛宮」を通過するさいには、倍以上の31〜32年をかけて通過することになります。
それはともかく、冥王星が最高度に“猛威”を発揮したのは、「第2次世界大戦」をメインとするその後の第3次世界大戦にあたる「東西冷戦」をふくめた期間でした。
この時期、人類歴史は、“支配/被支配”の歴史パラダイムの「双魚宮時代」の最終段階にあって、新たな“共鳴関係論”による「宝瓶宮時代」の直前でした。
そのため、双魚宮時代の究極的な社会体制でもあり、武力によって世界覇権支配を進める「共産主義社会」ではなく、新たな宝瓶宮時代につうじるアメリカをはじめとした「自由民主主義社会」に“天運”がともない、「東西冷戦」は終結し双魚宮時代も終わりをむかえました。
これ以降の「冥王星」によるディレクションを簡単に書いておきます。
「冥王星」が射手宮を通過したとき、「既成権力の崩壊」のディレクションによって、旧いワンマン経営の企業の解体や独占事業の民営化がなされました。
なぜなら、そうしないと国民による“自由”で“民主的”な「宝瓶宮時代」の社会に向かえないためです。
次に、冥王星が山羊宮を通過している昨今は、「組織運営の変革」のディレクションです。
これによって旧い組織の不正や課題が露呈したり、運営のあり方が問われ、改変されていくことになります。
とくに、2012年以降の約9年間は、「組織運営の変革」のディレクションが“深化”していく時期で、最後の3年間の「2018年〜2020年」は、“深化”のピークの年になります。
実際、山羊宮22度で「土星&冥王星」がジャストの「合(コンジャンクション=0度)」をとってはじまる今年2020年は、“深化”のディレクションを締めくくる“大トリ”の1年になっていきます。
その後、「組織運営の変革」のディレクションは2024年まで続いて、次のメイン・ディレクション「精神意識の変革」のディレクションに移行していきます。
もっとも、その影響圏には、今年2020年末から入っていきますので、2024年までも重要な転換期であることにかわりはありません。
「精神意識の変革」のディレクションというのは、ひとことでいえば「第2次世界大戦」にも匹敵する裏ディレクションです。
3次にわたる先の世界大戦もそうですが、人類が初めて体験していく“精神的な変革期”になりますので、目に見える出来事とはなりにくい側面をもちますが、それゆえ逆に対処に“厳しさ”をともなうことが起こります。
結局、国家や組織また他人がどうこうよりも、「宝瓶宮時代」の“精神意識”をご理解し体得していけるかどうかで、自分の“天運”が相応ながらも異なり、運勢を左右していくことになる30年間がはじまっていきます。
One-Point ◆ 詳しくは、いずれお伝えするときがくると存じます。2012年から「数理法則とクオリアル・ワールド」伝授講座を徐々にはじめていますので、相応にご理解は可能なものになっています。というか、伝授講座は、「宝瓶宮占星学」の“真髄”をお伝えするにとどまらず、新しい「クオリチュアル」(霊識)や「宝瓶宮時代」の生き方を体得いただき、また新しい「宇宙観」をお伝えするものになっています。
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