宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しい西洋占星術―
HOME > 「レクチャールーム」のご案内 > 配列法則による星の基本象意
「配列法則」の一部をご紹介いたします。太陽系の惑星には配列に基づく星の基本象意があります。現在の西洋占星術の前身である古典占星術で何となくとらえられてきたことが、この配列法則によって何を意味していたのか、実際にご理解できると思います。
●第1稿 : 2010年06月01日アップ
宝瓶宮占星学の基礎理論には、「数理法則」のほかに「配列法則」があります。
数理法則については、「レクチャールーム」の「数理法則−基本3数概論」でそのベースを述べてきたとおりです。
「配列法則」というのは、簡単にいうと、自然の存在には、配列に伴う意味すなわち法則性があるということです。
自然存在の中にある配列では、可視光線によるプリズムや虹といった色の配列が分かりやすいでしょう。
色すなわち可視光線の波長は、おおよそ400nm(ナノメートル)から800nmほどまで紫色から赤色へと順番に並んでいます。
この直線的な可視光線の配列の両端をつなげると、面白いことに色相環として完結性が生まれてきます。直線の配列が連続性を持つ循環として表現できてしまうのです。
実際には、可視光線の外に下図のように、赤外線や紫外線、X線やガンマ線などさまざまな波長(周波数)の音や電磁波があります。
このことはホロスコープ(天球図)の関係と同じです。
占星要素にも同様の配列法則があるのです。
宇宙の星の位置をそのまま写し取ったホロスコープに、宇宙に基づく数理法則や配列法則があるのは当然のことです。
One-Point ◆ ご存じのように、1秒に1回のサイクルを1Hz(ヘルツ)といいます。可視光線の場合は波長で表されますので、おおよそ400〜800nm(ナノメートル)、周波数になおすと750〜375THz(テラヘルツ)です。テラは10の12乗の単位。逆に、冥王星の周期を周波数になおすと、約130pHz(ピコヘルツ)、ピコは10のマイナス12乗の単位です。つまり冥王星は約130pHzでホロスコープを一周していることになります。
可視光線の両端を、適当なところでつなげると色相環ができます。
左端のマゼンダの部分は、紫外線の直前にあたる位置です。
直線に並んだ波長うち、目に見える可視光線は循環して表現できる…。
これって、直線的な人の一生を読みとる丸いホロスコープに似ているって思えません?
ホロスコープの占星要素のうちサイン(宮)とハウス(室)には実体がありません。
春分点に始まるサイン(Sign=宮)と、夜空の星座(Constellation)は別物です。
星が、○○サイン(宮)に位置する、あるいは○○ハウス(室)に位置するということは、可視光線で例えていえば、「赤」だとか「青」に属する波長(周波数)だといっているのと同じです。
この色相環の中で、純色の赤だとか、純色の青にあたるのが、ホロスコープのカスプ(尖点)で、サイン(宮)では0度の位置、ハウス(室)ではキャンパナス・ハウスシステムを除いて境界線の位置にあたります。
西洋占星術では、サイン(宮)を夜空の星座にあてはめてしまったために、何か実体があったり、ドームやボックスのような存在としてとらえ、連続性を持ちにくいのですが、そうではなく、直線的な配列の中の位置を示しています。
サイン(宮)の場合は、毎年の春分点を起点にした配列によって位置における意味や象意を持ちます。
ハウス(室)の場合は、基本、地上の特定の場所から見たMC(Medium Coeli メディウム・コエリ=天頂:南中点)とASC(Ascendant アセンダント=上昇点)を基点にした配列のどこに位置するかで意味(象意)を持たせます。
この配列が何を象徴しているのか、何を展開したものなのか、どんな法則性があるのかを理解できれば、基本の象意がみえてきます。
One-Point ◆ 『入門講座』に書いたように、サイン(宮)は基本3数の中で1数である「時間(意志)」の展開です。意志の出方や方向性、一般的にいうと「性質」ととらえることが可能です。ハウス(室)は「空間(実体)」の展開です。ステージ(舞台)変化を象わします。一般的には「出来事」ととらえることが可能です。これらは12数数理法則によって意味が規定されています。
個々の象意は連続したものですが、単純に同じ象意で循環しているととらえると、間違ってしまいます。
星の位置関係は、時間の流れに伴う直線なのです。
二度と同じ位置関係をとることはありません。
星の周回は円運動ですし、同じ円で表すのがべんりで、また位置関係を読み取りやすいために、便宜上、丸いホロスコープで表記しています。
しかし。本質的には、直線的な時間の流れを象わしたものがホロスコープです。
ここでは実体を持つ星の配列法則による基本象意をお届けいたします。
十大惑星(メインプラネット)は、太陽系の位置によって基本的に象意づけられています。
太陽系の星々が、何の意味も持たずに、太陽から冥王星まで無秩序に並んでいるということはありえません。宇宙の秩序や法則に反します。
それは、「ホロスコープとボーデの法則」に書いたように物理的な経験則というだけではなく、西洋占星術(宝瓶宮占星学)の象意として配列に基づく法則性すなわち意味があります。
すべての存在は、量子力学的にみれば、見えないエネルギー(波)から成り立っています。
精神も物質存在も、すべては根源をたどるとエネルギーです。
宇宙自体が、エネルギーのエネルギーともいうべきものから始まりましたし、人間も生命エネルギーによって存在しています。
エネルギーというのは、別の言葉でいえば「波」として現われます。
要は、エネルギー(波)がプロセスを経て実体化し、活動が行われ、波動として宇宙存在世界や人間社会が営まれます。
これらが「波動」を伴って相互作用的に影響を与えたり受けているために、宝瓶宮占星学においては、共鳴ということが重要なキーワードになってきます。
難しいお話はともかく、宇宙の営みは、地球すなわち人間社会においては、太陽系の星々の配列に象徴的に展開され、太陽系の星の動きと人間社会は、共鳴的な関係を持って星に象徴されています。
One-Point ◆ 西洋占星術(宝瓶宮占星学)で使う太陽系の星々を、その配列どおりに並べ、位置における占星学的な意味(象意)を付加したものが上の図です。中央には小惑星帯があり、図ではその中で最も大きな小惑星ケレスによって表記しています。ケレスは「ボーデの法則」に当てはまることからも、何らかの意味を持たせるべきです。
右の本文に書いたエネルギーが目指す「理想」は、基本的に「美と調和」です。
「理想」が金星と天王星の位置であるのは、本文に書いたとおりです。
サイン(宮)の起点である春分点(牡羊宮)は、個人意志の目的や理想として、天秤宮を目指します。
天秤宮の共鳴星は、金星です。
一方、太陽を共鳴星とする獅子宮の対宮は、水瓶宮です。
太陽と対をなす冥王星の宇宙意志エネルギーの理想は、それゆえ水瓶宮に象徴されます。
水瓶宮の共鳴星が、天王星であることはいうまでもありません。
上図を概説します。
すべてはエネルギーによって始まりますので、両端はエネルギーを象徴します。
極と極は通じるために、色相環やホロスコープのように循環表記が成り立ちます。
図の中で、太陽系の最も外側に位置する冥王星は、大宇宙の根本である宇宙意志エネルギーを象わします。
太陽系の中心に位置する太陽は、ホロスコープの中心である人間の生命エネルギーを象わします。
冥王星の宇宙意志エネルギーは全体の社会において、太陽の生命エネルギーは個人において、それぞれ中央のケレス(小惑星帯)に向かって展開されます。
『入門講座』でも、「冥王星よ再び(緊急版)」でも、「レクチャールーム」の「未来予測リーディング:冥王星」でも触れたように、冥王星は二重惑星と考えられるカロンを伴って、「創生」と「消滅(再生)」が融合した宇宙の根本エネルギーを象徴します。
エネルギーは、エネルギーとしてだけ存在することはありえませんので、必ずエネルギー自体の意志(方向性)を持ちます。
その方向性が太陽系では小惑星帯(ケレス)の方向です。
エネルギーはその方向性にそって関係性を持ち、現実実体と結びつける役目を果たす存在がなければ伝わることができません。
媒介体となる存在が最初に必要です。
太陽の「生命エネルギー」に始まる個人においては、それが「知性」や「コミュニケーション」を象わす水星です。
冥王星の「宇宙意志エネルギー」にはじまる社会においては、見えない世界への「インスピレーション」や「イメージ」をもたらす海王星です。
太陽や水星や冥王星や海王星にかぎらず、個立した存在として星の象意をとらえるのではなく、方向性や連続性の中でとらえるのが宝瓶宮占星学の「配列法則」であり、さらには「共鳴リーディング」につながっていきます。
太陽の腰巾着のような水星、また冥王星と軌道の一部が交錯する海王星は、エネルギーと社会の「関係」を象わすということが基本象意です。
次に、エネルギーの方向性の先には、「理想」が存在します。
これも当然です。すべての存在は、わざわざ宇宙の「破滅」を目的として生成することはありえません。
必ず意図と目的すなわち方向性には必然的な「理想」があります。
太陽エネルギーに始まる個人においては、それが精神的な「美意識」、肉体的な「快適」さ、人との「社交性」や「調和」を象わす金星です。
冥王星の宇宙意志エネルギーに始まる社会においては、現実の「友愛世界」やそのために必要な「共鳴関係」を象わす天王星になります。
金星が象わす個人の「理想」と、天王星が象わす社会の「理想」は矛盾するものではありません。
金星を共鳴星とする天秤宮と、天王星を共鳴星とする水瓶宮が、スムーズな関係を結ぶ三分(トライン=120度)の位置関係にあることからも、それが理解できます。
One-Point ◆ 『入門講座』をご購読した方はご理解できるかと思いますが、金星を共鳴星とする一方の牡牛宮は、水瓶宮に下方矩(ロウアー・スクエア=90度)です。それは「凶」ではなく、立場を異にするものの個人が社会のベース(生じる存在)となることを意味しています。
エネルギーは、目的や方向性をもった流れです。
波は流れとなって波動を持ち、前後左右上下の近隣のみならず、遠く離れた存在とも共鳴現象を起こします。
「配列法則」というのは、流れによる変化を読み解き、その意味や象意を理解するものです。
そこに、位置による数々の波長が生じ、共振関係による共鳴という現象が起こるのです。
宝瓶宮占星学が「共鳴リーディング」を提示するのも、共鳴によって新たに象意が生じたり、強まったり、影響を象わしたり、もたらすからです。
上に挙げた「エネルギー(意志)」「関係」「理想」は心にあたる存在で、これらを現実化していく体にあたる存在が次の星たちです。
太陽エネルギーに始まる個人においては、人間実体を意味し「感受性」や「生体(生理)」を象わす月に象徴されます。
地球の衛星である月は、占星学では人間(本人)を象わす地球の代理であり、「拡張された自己」にあたります。
月の感受性がもたらす「感情」や、人間の「生体」は、人間本体そのものではなく拡張された自己なのです。
では、人間本体は何かというと、心や精神である自由な意志の「主体」が人間の本質なのです。
冥王星の宇宙意志エネルギーに始まる社会においては、「組織」や「現実」を象わす土星に象徴されます。
「レクチャールーム」のIDとパスワードをお持ちの方は、「未来予測リーディング:土星」と併せてご一読ください。
次に、いくら「実体」があっても静止していたのでは意味がありません。
静止したままでは、存在は成長もできなければ、目的とする理想を達成することもできないのです。
太陽の生命エネルギーに始まる個人においては、それは「衝動」や「行動」また「活動パワー」をうながす火星によって象徴されます。
冥王星の宇宙意志エネルギーに始まる社会においては、「拡大」や「膨張」また「発展」をうながす木星によって象徴されます。
このような「宇宙意志」の計らいによって、当面の結果はともかくまず体験をして経験を積み、漸次、成長していくように個人も人類歴史もプログラムされています。
最後に、ケレスに代表される小惑星帯(集合的社会)において星の働きは統合され、現実化しつつ、人類歴史として営まれていきます。
十大惑星(メインプラネット)+ケレス(小惑星帯)には、配列に基づく基本象意(本意)があることを原則として知っておくと、リーディングの軸がブレません。
ホロスコープ・リーディングは2つとして同じものがないホロスコープをリーディングしていくために、すべてケース・バイ・ケースになります。
見識を伴うインスピレーションも必要ですが、「数理法則」や「配列法則」に基づく基本象意を理解しておくことで、柔軟なリーディングが可能になっていきます。
One-Point ◆ ご参考に「基礎から学ぶホロスコープ」の「第8回:十大惑星と基本3数(前編)」ならびに「第9回:十大惑星と基本3数(後編)」も併せてご高覧ください。
※当ページの内容は著作権法により保護されております。無断使用はご容赦お願い申し上げます。
Copyright(C) 2005-2010 Aquariun Astrology - Seiji Mitoma All rights reserved.