宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しい西洋占星術―

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黄道12サイン(宮)と黄道13星座

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西洋占星術の「鉄則」と黄道12サイン(宮)


●第1稿 : 2013年11月7日アップ

基本の「キ」に戻ってお届けいたします。
ご承知のことしか出てきませんが、そこんとこ、ヨロシク! です。
要は、ホロスコープの12サイン(宮)と黄道13星座の図を作成いたしましたので、ご自由にお使いいただきたく、アップしたものです。
なので、以下の図は、著作権フリーです。また「宝瓶宮占星学」などのクレジットもつける必要はありません。どなたでもご自由にお使いください。


《 黄道12サイン(宮)と黄道13星座 》

下図をご高覧いただきたく存じます。
日本から見える黄道上の13星座を、見えるとおりに配置し、国際天文学連合(IAU)が定めた星座の範囲を記しました。
そのうえで、図の下部には、星座の名称と黄道上に占める幅が分かるように記しています。
一方、上部には、西洋占星術のホロスコープで用いられる現在の12サイン(宮)が、既定の位置と幅どおり、正確に記されています。


黄道12サイン(宮)と黄道13星座


One-Point ◆ いろいろとお気づきの点はあると思います。以下、一つずつご説明してまいりますので、「おい、12サイン(宮)の並びや黄道のカーブが逆だぞ」とか、「星座を結ぶラインが少し違う」などと突っ込まないでください。すでに「アンダースタンディング」な方はともかく、まずは一通り、ご説明をお読みいただきたく存じます。

当該図の補足説明

●「天の赤道」は、地球の赤道を宇宙にそのまま投影したものです。
北極側と南極側を結ぶ地球の自転軸とは、90度の角度を持ちます。
一方、「黄道」は、ご存じのとおり太陽の通り道です。
「黄道13星座(13 Constellations of the Zodiac)」は、この黄道上に区分された星座のことをいいます。
国際天文学連合(IAU)が、それまで180以上もあり、重なり混乱していた星座を、1928年に88の星座に公式に定めたからです。
ちなみに、当たり前ですが、西洋占星術で使う「黄道12サイン(12 Signs of the Zodiac)」は、哲理的なものなので見えるわけではありません。
もう一つ、ご参考に補足しておきます。
地球の自転軸は、公転軸と23.4度傾いて太陽を周回しています。
そのため、「天の赤道」と「黄道」が交わる角度は、当該図のように23.4度になります。
また、天の赤道と最も離れた黄道の最上部や、同じく最下部は、地球から見たとき、23.4度の角度を持ちます。
これに自転を続ける丸い地球上の任意の「占星地」が絡んでくるのがホロスコープです。
ホロスコープの中心となる「占星地」から見たとき、黄道は1日の時間帯の中で、半楕円が傾き、右に左に動いて見えます。

《 当該図とホロスコープ 》

日本をはじめとする「北半球」から見ると、黄道上の13星座(以下、「黄道13星座」)は、上図のようにみえます。
「え、黄道12星座じゃないの?」
という方がいらっしゃるかもしれません。
どの天文学者の方に聞かれてもいいのですが、事実は「黄道13星座」が正解です。
黄道上には、13の星座があります。
これが世界のジョーシキで、国際天文学連合(IAU)が定めたルールです。
かといって、世にいう「13星座占い」が正しいといっているのではありません。
12サイン(宮)の「西洋占星術」と、「13星座占い」は、まったくの別物です。
もっとも、それを理解していない西洋占星術師もいます。
西洋占星術が本来は「○○宮」とサイン(宮)で正しく表記すべきところを、誤って「○○座」と星座で表記しているのをいいことに、その軒下を借りて「星座解釈」をしているのが「13星座占い」です。
ことの詳しいご事情は、本稿を読み進めるにしたがって、どなたでもご理解できるように書いてまいります。
お話を戻します。
「星座」というのは、当然、夜しか見えません。また、見る季節や時間帯によっても見える範囲がかぎられてきます。
なので「黄道13星座」すべてが記された上図は、1年を通して観測したときのものになります。
さらには、日本など「北半球」から夜空を見たときの配置なので、当然、上側が北で天頂側です。
つまり、北極星のある方向です。
ちなみに、今ここで天頂といっているのは、天体学的に赤道と垂直である地球の自転軸の方向で、「天の北極」側の天頂を指します。
しかし、占星術では、出生地など「占星地」の真上を「天頂(中天)」といいますので、以下、お間違えなくお願いいたします。
天体的には、上図で問題はないのですが、西洋占星術のホロスコープからみたとき、少しややこしい問題が生じます。
ホロスコープは、現在の「春分点」を基点に、「牡羊宮」→「牡牛宮」→「双子宮」→「(以下略)」と、順番に進みます。
ところが上図では、ホロスコープとは逆の並びになっています。
どうしてでしょうか?

One-Point ◆ 他にも黄道のカーブが上下逆です。基本のホロスコープでは、左の欄外の図のように、下側に蟹宮を置き、上側に山羊宮があります。ところが上図では、黄道の上側に蟹宮(「かに座」ではありません)が位置し、下側に山羊宮(「やぎ座」ではありません)が位置しています。以下、理由をご説明してまいります。

参考:ホロスコープの配置

●標準のホロスコープ。
占星時間が不明な場合は、「春分点」をASC(上昇点)の位置に、牡羊宮を第1室ハウス(室)に持ってきます。
また、個人のホロスコープ(出生天球図)で出生時間が不明な場合は、太陽サイン(宮)を第1ハウス(室)に持ってきます。
その際は、4つの基本点、ASC(上昇点)やMC(南中点)などは、表記しません。
ただし、その象意自体は、案外と作用することがあります。

《 ホロスコープの配置 》

理由は簡単です。
ホロスコープは、南を上に記すのが決まりだからです。
南が上なので、北が下です。
つまりは、当該図を180度回転させた配置がホロスコープになります。
もう少し、詳しくご説明をします。
ホロスコープでは、最上部がMC(南中点)で、ここが基準です。
東の地平線上のASC(上昇点)も基準の一つですが、より基本なのはMC(南中点)のほうです。
もっとも、「ホロスコープ」ではということで、「占断」や「リーディング」では、ASC(上昇点)のほうを重要視するのが一般的です。
MC(南中点)というのは、直訳すれば「中天(天頂)」という意味を持つ「Medium Coeli メディウム・コエリ」の略で、占星地の頭上である天頂を指し、実際には黄道上の真南の一点のことで、「南中点」のことをいいます。
ちなみに、黄道上の一点で中天の真南なので「南中点」です。
このMC(南中点)を上側に表記するのが、ホロスコープの「決まり」なのです。
一方、その反対側の最下点をIC(北中点)と表記します。
IC(北中点)は、直訳すれば「天底」という意味の「Imum Coeli イムン・コエリ」の略で占星地の足元、地球の裏側方向、MC(南中点)の真反対側をいいます。
これも、実際は黄道上の真北の一点で「北中点」のことを指します。
つまり、ホロスコープは北側、つまり北極星側が「天底」になります。
ややこしいですよね。
言葉は「MC=天頂(中天)」や「IC=天底」と表記しますが、実際は、赤道近辺の地域(緯度で23.4度以内)を除いて、黄道が天頂にかかることはありませんので、あくまでも黄道上の真南の一点が「MC(南中点)」であり、真北の一点を「IC(北中点)」というわけです。
ちなみに、黄道上のいちばん高い点を「MC(南中点)」というわけではありません。
いちばん高い点より低くても、真南の一点が「南中点」になります。
ご理解できない方は、「特別講座3:ホロスコープの作成」の「実際の星の位置」の図をご高覧ください。
結局、北極星側を上に描かれた当該図は、180度回転させ、上側を南にしなければホロスコープと同じになりません。
そのようにひっくり返したのが下図です。

黄道12サイン(宮)と黄道13星座

One-Point ◆ こちらも「著作権フリー」です。ちなみに、なぜホロスコープでは、南が上になっているのかというと、太陽が関わっています。北半球で生まれた西洋占星術は、日中、太陽は占星地の頭上より南側をとおります。その見た目のとおりに、日々の生活にそって太陽が通る日中を上に、その中心であるMC(南中点)を基準にしたものがホロスコープです。
※Check ◆ なので、お昼頃に生まれた方はホロスコープのMC(南中点)付近に太陽を持ちます。逆に、真夜中に生まれた方はホロスコープの最下点IC(北中点)付近に出生時の太陽を持ちます。もし、日中の生まれにも関わらず、ホロスコープの下半球に太陽が記されている場合、それは間違ったホロスコープになっています。逆も同様です。

《 西洋占星術の「鉄則」 》

以上は、ご納得いただけましたでしょうか。
最初の大きいほうの図を、下の小さい図のように180度回転させれば、ホロスコープの12サイン(宮)と同じ配置になるということです。
つまり、現在の「春分点」を基点に、左から「牡羊宮」→「牡牛宮」→「双子宮」→「蟹宮」→「獅子宮」→「乙女宮」→「天秤宮」→「蠍宮」→「射手宮」→「山羊宮」→「水瓶宮」→「魚宮」と12のサイン(宮)が順番に等分に並びます。
その一つひとつのサイン(宮)の幅は、きっかりと30度と決まっています。
12サイン(宮)なので×30度=360度、天球を一周します。
これが西洋占星術の「鉄則」です。
まとめると、次のようになります。

1、12サイン(宮)は、現在の「春分点」からはじまる。
2、「春分点」を「牡羊宮0度」とする。
3、各サイン(宮)はきっかり「30度」ずつ12サイン(宮)で構成される。

この「鉄則」を無視すると、西洋占星術ではなくなります。
西洋占星術の「ホロスコープ作成ソフト」や、WEB上の「ホロスコープ作成サービス」(もちろん信頼のおけるもの)は、すべてこの「鉄則」にのっとってホロスコープを出力しています。
この「鉄則」を一つでも曲げると、もはや西洋占星術のホロスコープではなくなってしまうのです。
そのため、現在の「春分点」ではなく、約2,000年前の春分点を基点にしている俗にいう「インド占星術(ジョーティッシュ)」は、当然、西洋占星術とは異なります。
また、12サイン(宮)ではなく、13星座を用いる「13星座占い」もしかりです。
サイン(宮)であろうと星座であろうと、「13」の占星要素を用いることはもちろん、「星座」自体を占星要素にして占ったら、もはや「鉄則」から外れますので、西洋占星術ではなくなります。
西洋占星術とは似て非なる、別の任意の占いが「13星座占い」です。
ちなみに、宝瓶宮時代の新しい西洋占星術=「宝瓶宮占星学」は、西洋占星術以上に「鉄則」にのっとって、ちゃんと12サイン(宮)表記をしています。

One-Point ◆ ホロスコープにおいて、前のサイン(宮)の30度は、次のサイン(宮)の0度になります。なので「牡羊宮30度」という表記はなく、次のサイン(宮)の「牡牛宮0度」と表記されます。
「インド占星術(ジョーティッシュ)」は、約2,000年前の春分点を基点とするため、同じ「牡羊宮」でも、現在の西洋占星術とは、約1サイン(宮)分もズレています。むしろ「黄道13星座」の配置に近いのが「インド占星術」です。

《 「座」ではなく「宮」 》

以上の「鉄則」からみて、現在の西洋占星術の「誤り」にお気づきですか。
大衆向けの「星占い」は別にいいのです。
また、西洋占星術とはいいつつも、「当たるも八卦、当たらぬも八卦」の占い師による「占い」であれば、まだ許容できなくもありません。
しかし、ちゃんとした西洋占星術でありながら、また「占星術研究家」などと専門家のように自称しながら、12サイン(宮)を「○○宮」ではなく「○○座」などと表記しているのは、明らかに「誤り」です。
「12サイン(宮)」と「星座」は別物で、もはや直接的な関係はありません。
知らないで「○○座」と表記しているのなら、昨今、話題のメニューの「誤表記」と言い訳もできますが、明らかに知っていながら正しく書いていないので、メニューを「偽装」しているのと同じです。
プロとして、信頼するに値しないレベルです。
このことは、英語表記でも明確です。
占星学(Astrology)やホロスコープ(Horoscope)を専門に扱う書籍やサイトでは、いちいち「Sign of Aries(牡羊宮)」と表記せずとも、「Sign」のお話であるのは大前提なので、単に「Aries」と略すことがないとはいえません。
しかし、一般に単に「Aries」という場合、星座(Constellation)のことで「おひつじ座」を指します。
西洋占星術の場合は、黄道上の「星座」を用いて占断するのではなく、春分点に始まる「サイン(宮)」つまり 「Sign of Aries(牡羊宮)」を用いて占断やリーディングをしますので、星座のおひつじ座「Constellation」は関係がないのです。
上図をご覧いただけましたら、そのことは一目瞭然です。
「宮(Sign)」と「座(Constellation)」は別物です。
日本語で「牡羊宮」と書くのと、「牡羊座」と書くのとでは、訳が異なります。
「宮」と「座」は、まず位置が異なります。
また、現在の「春分点」を基点に30度ずつと決まっている「宮」に対し、「星座」の幅はたとえば「おひつじ座」の場合、幅も25度ほどしかありません。
「さそり座」に至っては9度ほどしか幅はなく、逆に「おとめ座」は41度近くも幅があります。
黄道上には「へびつかい座」を含めて13の星座があります。
なので「黄道13星座」は、西洋占星術で使う「黄道12サイン(宮)」とは異なり、位置も幅もてんでんバラバラです。

One-Point ◆ 結局、夜空の「星座」は、昨今の西洋占星術と関係がないので、約2,000年以上も前の古代ギリシャ時代から西洋占星術の歴史を学ぶならともかく、12サイン(宮)の象意解釈や実際の占断に、星座や神話を用いると間違ってしまいます。12サイン(宮)の基点となる「春分点」は、約72年に1度ずつ移動しています。現在でも、もはや当時とは30.33度ほども移動しました。今後も約2,160年(理論値)に1星座分(30度)ずつズレていきます。遠い将来のお話で恐縮ですが、いずれは「宮」と「座」は正反対の位置になってしまいます。



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