宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しい西洋占星術―

ホロスコープ・リーディング
基礎から学ぶホロスコープ
第7回:占星学の意義と役割

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どのように今、ホロスコープを解釈(リーディング)すべきか

皆様は、何のために西洋占星術や占星学があると思われますか?
単なる「占い」なら、洋の東西を問わず数多くの占術が存在します。そうではなくて、他の占いでは示しえない占星学(Astrology)ならではの意義や役割があるのです。
現在の西洋占星術だけでは見えてこないと思いますが、過去から将来の占星学を知れば、人類に対する意義や役割が見えてきます。

ホロスコープ時計


●第1稿 : 2010年 9月30日アップ
●推敲稿 : 2010年10月29日アップ

《 占星要素の象意の解明 》

「西洋占星術は”占い”ではなく”科学”である!」
いまだにそう言い切る観念的な人は、さすがにもういないと思いますが…、一般的に現在の西洋占星術は、その名のとおり「占い」です。
ありきたりの知識や常識では把握できない運勢や性格や出来事を、内容の真偽はともかく、超論理的に知ろうとするからで、それが「吉凶判断」や「当たる、当たらない」また「正しい、正しくない」といった占断に陥れば、それは紛れもなく「占い」です。
一方で、西洋占星術を学ぶことによって、自分とは違ったさまざまなタイプの人間がいること知るといった、人間学の側面もあります。
現代の西洋占星術は、多くの場合、自分の星が何サイン(宮)や何ハウス(室)に位置するかといった象意解釈によって占断します。
それは初期の西洋占星術である古典占星術以降、現代の西洋占星術が、星やサイン(宮)やハウス(室)など、占星要素の象意の解明に重きをおいてきたからです。
それぞれのサイン(宮)は、どんな象意を持っているのか?
それぞれのハウス(室)は、どんな象意を持っているのか?
それぞれの星は、どんな象意を持っているのか…?
そして今も、小惑星や怪しげな占星点(Astrological point)を見つけだしては、象意の解明に力を注いでいるようです。

One-Point ◆ 宝瓶宮占星学は象意の解釈にとどまらず、共鳴リーディングを行ないます。一言でいえば、占星要素の共鳴関係やホロスコープにおける象意の流れをメインにしたホロスコープ・リーディングです。


●プラトン年と宇宙的時代

地軸の回転にともない、春分点が移動して黄道上を1周する期間をプラトン年といいます。
プラトン年は、グレート・イヤーとも呼ばれ、理論値は25,920年です。
現在の天文学による計測では、25,777.5年です。
このプラトン年を12等分したものをプラトン月、またはグレート・マンスといい、ひと月は2,160年になります。
このプラトン月の移行によって、白羊宮時代→双魚宮時代→宝瓶宮時代→磨羯宮時代……と、占星学の象意にそって人類歴史のパラダイムが変化しています。

《 今も発展途上の西洋占星術 》

話を戻して、現在の西洋占星術、すなわち双魚宮時代末期19世紀末以降、アラン・レオらによって復活したオカルト的な西洋占星術(神秘占星術・秘教占星術)をいくらみても、占星学の正しい姿はみえてきません。
それは金太郎飴の一断面に過ぎないからです。
何のために占星学が存在するのかということは、最初から最後まで全体の推移を見なければ、最初と最後は金太郎(おとぎ噺の人物)ではないかもしれないのです。
事実、占星学の歴史においては、19世紀末に復活した今の西洋占星術のほうが亜流であり、正統の占星学ではありません。
あまりにも大きな歴史の大河の中にいるので、見えていないのです。
占星学の正しい姿を知るためには、「基礎から学ぶホロスコープ 第1回:ホロスコポス=時の見張り番」の「占星学の流れ」図で示したように、現在の西洋占星術は「脇道」にいることを考えてみなければなりません。
「脇道」という言い方が適切でなければ、現在の西洋占星術(占星学)は、まだ発展途上の段階にあると言い換えてもかまいません。
ようやく個々の占星要素の象意を、まがりなりにも把握した段階です。
ふさわしい例えではないかもしれませんが、炭素や酸素、アウミニウム、また鉄や銅や錫(すず)や銀といった元素を発見し、その「性質」を把握しつつあるレベルです。
これらの元素の「性質」を活かして、さまざまな「合金」を作り、さらにはそれを用途ごとの「製品」に活かしてこそ、真に役立つ元素となっていきます。
そのような真に役立つ占星学になっていく途上に、現在の西洋占星術はあるということです。もしくは、そのプロセスから外れて「脇道」を進みつつある状態です。

One-Point ◆ 昨今の占星学界の動きの中に、「アラン・レオ以前の古典占星術に戻ろう」という意見や、古代オリエントの占星学のように「政治経済や社会に役立つ占星術になろう」といった動きがあるのも、今後の正しい占星学の在り方を直観的に感じているからです。


●古代オリエント占星学

白羊宮時代の占星学を、古代オリエント占星学と呼びます。
春分点が、空のおひつじ座辺りにまだあった約2,160年間の時代を白羊宮時代といいます。
理論的には、紀元前2331年〜紀元前171年頃になります。
この白羊宮時代の古代オリエントで占星学が発祥しました。
今の中近東ですが、後年、歴史の中心となったヨーロッパからみれば、当時は東洋(オリエント)でした。

《 古代オリエント占星学から磨羯宮占星学へ 》

占星学は、今を去ること4,000年ほど前、白羊宮時代に現在の中近東、すなわち古代オリエントに発祥し、約2,000年前の双魚宮時代に、古代ギリシャの哲学思想を取り入れて古典占星術として体系づけられました。
1846年の海王星発見後の19世紀末、アラン・レオらによって西洋占星術は、オカルトチックな「占い」として復活しました。
そして今日、宝瓶宮時代の始まりによって、占星学は新しい地平を迎えています。
双魚宮時代の「対立二元論」から、宝瓶宮時代の「共鳴関係論」によって解釈され、リーディングしていく占星学が始まっているのです。
時代のパラダイムにかかわる根本波動が、「共鳴」に変わってきたからです。
これは宝瓶宮時代の前史、1630年以降の人類歴史をみれば明らかです。
それゆえ時代と共にある占星学も古典占星術(西洋占星術)から、宝瓶宮時代の新しい西洋占星術=宝瓶宮占星学に変わっていかざるをえません。
詳しくは、このサイトの「宝瓶宮時代と占星学」などをご高覧ください。
ただし、宝瓶宮占星学もまた占星学の最終型とはいえません。
約2,000年後の磨羯宮時代(まかつきゅう・じだい)になって、現実に役立つ本物の宇宙学(Astrology)になります。
それを仮に「磨羯宮占星学」と呼びましょう。
「磨羯宮占星学」は、もはや占いではなく、現実のロジック(Logic=論理)に変わります。
実生活や実社会、人類の存在に役立つ現実のノウハウや学問(-logy=〜学、数理)として活用されるのです。
それは、宝瓶宮時代に共鳴科学が解明されるほど「実学」になっていきます。

One-Point ◆ この項を理解するには、当サイトで述べている内容の把握が必要でしょう。「占い」である現在の西洋占星術に浸って、その概念から抜け出れない人、いわば我知らずに時代の固定観念に「マインドコントロール」されて、頑迷に西洋占星術の解釈を信じている人ほど、荒唐無稽な絵空事のように思えるかもしれません。

●双魚宮時代の西洋占星術

双魚宮時代は、紀元前170年頃に始まりました。
しかし、その影響圏に入るのは、さらに360年前の紀元前6世紀頃になります。
次の宝瓶宮時代が始まる360年前の1630年頃から、宝瓶宮時代の黎明(れいめい)ともいえる動きが、人類歴史に徐々に現れてきました。
なお、現代の西洋占星術は、19世紀末に復興したもので、それ以前の古典占星術が本来の正統的な双魚宮時代の西洋占星術だといえます。

《 宇宙的時代区分における占星学の役割 》

白羊宮時代の古代オリエント占星学は、もともと「占い」ではありませんでした。
ご存じのように当初は、社会を営んでいくために必要な時を知るカレンダーの役割を果たしていました。
正確な暦や時計がある今日の生活からは想像しにくいかもしれませんが、1年という時の始まりを把握しておくことは、農耕においても、政治経済などの為政においても、また権力のためにも重要なものでした。
白羊宮時代の古代オリエント占星学は、「第6回:基本3数による構成」にも書いたように牡羊宮の象意にふさわしく、基本3数のうち1数である「時間(意志)」の役割を果たしていたのです。
白羊宮時代は、牡羊宮やその共鳴星である火星の象意に基づいて、自己を主張する「争い」と「戦争」の時代だったといえます。
そういった時代の価値観や論理行動を持つ人々に、人倫道徳という新しい価値観やパラダイムをもたらしたのが双魚宮時代です。
古代中国においては儒教や道教、ネパールやインドにおいては仏教、古代オリエント(中近東)や西洋においてはキリスト教、また古代ギリシャにおいては思想・哲学が生じました。
人生や社会において何が正しく、何が間違っているのか、仏性と魔性、善と悪、神とサタン(悪魔)といった二元論が提示され、人倫道徳がうながされていきます。
同時に、善なる生活や悟りを開いた人には、「天国(パラダイス)」や「極楽浄土」が待っているといった理想世界や、まだ見ぬビジョンが説かれていきました。
「理想」や「ビジョン」は、魚宮の共鳴星である海王星や木星の象意に通じるものです。
これまで約2,000年間の双魚宮時代は、善悪二元論、すなわち「対立二元論」や、まだ見ぬ「天国理想(ビジョン)」を示すことによって、人類の倫理的かつ精神的な成長をうながし、規範を保ってきた時代でした。

One-Point ◆ 究極の真理からみれは、「対立二元論」は間違いです。しかし、人類の成長プロセスにおいては必要なものでした。これからの宝瓶宮時代は、「二元対立」から「共鳴関係」に向かい、今後は「すべての存在は共鳴し、関係し合うことによって存在している」といった共鳴関係論が時代の真理となっていきます。


●宝瓶宮時代の宝瓶宮占星学

宝瓶宮時代は、1989年に始まりました。
近未来予測=基礎編」以降に書いたように、いろいろな分野における一斉的な現実の変化からも、「宝瓶宮時代の根拠」に書いたように星の動きからも占星学的に説明できます。
宝瓶宮時代は、理論的には西暦4148年まで続きますが、西暦3789年からは次の磨羯宮時代の影響が出てまいります。
宝瓶宮時代の共鳴作用やアンテナ感度によって、実際にはもっと早くなるかもしれません。

《 個々の象意解釈から共鳴による活用へ 》

双魚宮時代の占星学、すなわち古典占星術や現代の西洋占星術も、この「対立二元論」に基づいて発展してきました。
「吉凶」や「当たる、当たらない」といった象意の解釈がとられ、中国や日本ではアストロロジー(Astrology)の訳語に占いである「占星術」が適用されたのです。
かつては占星要素を「吉(善)」と「凶(悪)」の象意に二分化してきたのですが、このサイトをご覧の皆様であれば、宝瓶宮時代においてはもはや「吉凶解釈」は間違いであることにお気づきだと思います。
双魚宮時代の占星学=西洋占星術は、結局、基本3数のうち2数の「空間(存在)」として、自らの確立を図ってきたのです。
それは人類規範をうながす双魚宮時代の波動によって、吉凶や善悪の象意解釈となって現われてきました。
自らが「占星術」として存在し、実体として成り立つために占星要素の象意の確立を図ってきたのが、古典占星術であり、現代の西洋占星術でした。
このことが分かれば、宝瓶宮時代の新しい占星学は、基本3数のうち3数にあたる「人間(関係)」に関わる役割を果たしていくことがみえてきます。
双魚宮時代の西洋占星術が、個人を占うホロスコープとして発展してきたのに対し、宝瓶宮時代の新しい西洋占星術は、個人の関係である社会(世界)や歴史や見えない世界との関係を視野にとらえたホロスコープの理解が進みます。
世界とそこにおける個人の運勢を解明する役割を果たしていくことになります。
占星学的には、上の例で挙げた元素の活用のように、それぞれの占星要素がどのように共鳴して新たな象意となるのか、正しいアスペクト(関係性)解釈をはじめ「共鳴リーディング」がなされていきます。

One-Point ◆ 宇宙存在世界の根本様相が、宝瓶宮占星学の基礎理論の一つである数理法則のベースとなる「基本3数」によって成り立っているために、何事においてもその応用や活用から逃れることはできません。占星学にかぎらず、社会運営やビジネス、また個々人の生活においても適用される原則です。


●磨羯宮時代の磨羯宮占星学

磨羯宮時代は、今日の宝瓶宮時代の次に訪れるプラトン月です。
理論的には、西暦4149年から始まりますが、その影響圏に入るのは西暦3789年で、約1,800年後です。
実際には、もっと早くなることが読み取れます。
西洋占星術「Astrology」が、占いではなく、その直訳どおりに「宇宙の学(科学)」である! というのは、磨羯宮時代の前史が始まるまで、あと1,800年近く待たなければならないかもしれません。

《 リアル・アストロロジーの時代に向かって 》

長くなったので、そろそろまとめなければなりません。
結論的に短くまとめを書きます。
人類歴史のパラダイムは、春分点の移動に伴い、白羊宮時代→双魚宮時代→宝瓶宮時代→磨羯宮時代……と通常のサイン(宮)とは逆周りに進んでいます。
これらのサイン(宮)の象意を分かりやすくいえば、牡羊宮を「意志」として、魚宮の「夢や理想」、水瓶宮の「個性と友愛社会」、そして山羊宮の「現実社会での使命と責任」へと進んでいきます。
占星学も同様に、白羊宮時代の古代オリエント占星学を「動機」として、双魚宮時代の西洋占星術による「象意解釈」による実体化、宝瓶宮時代の「共鳴関係」の解明、そして磨羯宮時代の磨羯宮占星学による「社会への現実活用」に進んでいきます。
占星学の位置づけも同様に、「占い」から「現実学」に変わっていきます。
磨羯宮時代が近づくにつれて、人類は現実社会に密着したリアル(真実)な占星学を掌中にしていきます。
もとい。それは「占星術」とも「占星学」とも呼べないものです。
宇宙太陽系(リアル・ホロスコープ)の存在様相や存在目的を正しく知り、山羊宮の象意に基づいて現実(宇宙存在世界)を正しく理解するために、人は何を使命として、どんな責任を果たすために宇宙に存在しているのか、そういったことを明確に悟り、果たしていきます。
人類が宇宙に存在する意義と役割、営為の論拠やノウハウを正しく提示できるのか「磨羯宮占星学」の意義と役割です。
それがAstrology(アストロロジー)の本当の意味、宇宙(Astro)と人間の学問(-logy=〜学、数理)です。
いわば、リアル・アストロロジー(Real Astrology)、「宇宙現実学」です。
磨羯宮占星学とは、もはや占星学とは呼べないものです。
同様に、宝瓶宮占星学も「実学」が目標です。
山羊宮(磨羯宮)の共鳴星・土星は、水瓶宮の副共鳴星でもあるために、両者には共通性があるのです。
こういった時代の方向性が分かれば、現代の西洋占星術ならず、宝瓶宮時代の新しい占星学がどのように進んでいくのか方向性(ディレクション)が見えてきます。
宇宙の星は、新しい時代を指し示しています。
個人と社会や見えない世界を含めた共鳴関係という現実(真実)です。
時代とともにある占星学も、ホロスコープ・リーディングは「共鳴」をもって解釈が図られていきます。
世界的な共鳴関係である友愛社会へ向けて、人類歴史と個人のディレクションを提示していくものになります。

One-Point ◆ ご理解できますでしょうか? 現在の「占い」である西洋占星術という一断面だけではなく、占星学の過去から未来まで約8,000年にわたって時系列に流れをとらえると、占星学の意義と役割がみえてきます。そういった目的や方向性がみえてくれば、どのように今、ホロスコープを解釈しリーディングすべきかもみえてくるのです。



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