宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しい西洋占星術―
●第1稿 : 2009年3月8日 緊急アップ
女の子の「ひな祭り」をお祝いしていた3月3日、次期総理の呼び声も高い小沢一郎民主党党首、その第一秘書久保田氏逮捕のニュースが列島を駆け巡りました。
現麻生内閣が支持率9.7%(2009年2月)と低迷する中、「信頼できない自民党、頼りない民主党」と揶揄(やゆ)される状況下において、ここは一度、「民主党に政権を与えてみようか」と考える有権者も少なからずいた中での出来事でした。
まだ、ニュースから1週間も経っていない現在、今後どう動いていくのか、具体的な政治向きの話は分かりませんが、宝瓶宮占星学の観点から、書かざるをえなくなりました。
小沢党首第一秘書逮捕に対しては、「陰謀だ」という鳩山民主党幹事長のヤケッパチな反論も聞かれました。
宝瓶宮占星学においては、そういったことはどうでもよく、小沢氏本人が2月24日、「極東におけるプレゼンス(存在)は第7艦隊で十分」と発言したことが、時代の「運勢」を失い、第一秘書の逮捕の出来事を引き起こしたという見解をとります。
「第7艦隊で十分」という政治オンチな発言と、第一秘書の逮捕がどう関わりがあるの? ということですよね。
現実の事情はともかく、そこに時代の流れに伴う「運勢」との共鳴があるからです。
この発言が、なぜ時代の「運勢」を失うことになるのか、ご説明しておきます。
「宝瓶宮時代と宇宙意志」など、他のページにも書きましたが、時代の流れに沿った言動は「運勢」を得て発展していきます。
逆に、時代の流れに反する言動は、一時的には栄えたとしても、いずれ滅びていくのです。
それが、時代や時間によって移り変わる運勢の重要な側面です。
では現在、時代の流れに沿った最も「運勢」がある国は、どこだと思われますか?
One-Point ◆ 小沢氏は、オバマ新政権のヒラリー国務長官と会談した後日、この発言をしました。彼はヒラリー国務長官との会談にも乗り気ではなかったようです。もはや内政における政権奪取にしか興味がなく、時代と国際政治の在りように対しては、関心も理解もできていないようです。
●アングロ・サクソン(Anglo-Saxons)というは、アングリア(イングランド)のサクソン人という意味です。
自由を求めて新大陸に渡り、アメリカ建国の祖となったピルグリム・ファザーズが、白人(ホワイト)、アングロ・サクソン人、清教徒(ピューリタン=キリスト教プロテスタント)だったということです。
その頭文字をとって「WASP」という言葉が使われました。
白人エリートをさすこの言葉は、自由・平等のアメリカ建国精神に反するため、あまり使われなくなっています。
宝瓶宮占星学が解き明かす歴史の流れ、すなわち方向性は明確です。
→「宝瓶宮時代と宇宙意志」などご参照。
宝瓶宮時代は、大きくみると「友愛社会の実現」の方向に進んでいます。
そうみたとき、「アメリカ合衆国」ほど、宝瓶宮時代の申し子のような国家はないというのが現段階での状況です。
「自由」を求めてイギリスから新大陸に渡ったピルグリム・ファーザーズらによって、アメリカは建国されました。
ちょうど、宝瓶宮時代の前史の始まりとも重なる時期です。
その後、1783年のパリ条約(独立承認)を経て、わずか200年前後で、世界一等の政治・経済・軍事の大国に発展したということは、ひとえに時代の流れ、すなわち「運勢」がアメリカと共にあったからです。
実際、「世界の自由民主主義」を標榜するアメリカは、宝瓶宮時代の「友愛社会の実現」と軌を一にするといっても、そう間違いではありません。
そのアメリカにおいて、今年2009年、歴史的なオバマ新大統領が就任しました。
白も黒も黄色も、男も女も、大人も子供も、人を分け隔てせずに、一個の人格(個性)として尊重し、互いに接することが宝瓶宮時代の友愛精神の特徴です。
彼の力量云々はともかく、オバマ氏選出によって、アメリカはそのことを証明しました。
少なくとも、時代の「運勢」はまだアメリカを見捨ててはいません。
One-Point ◆ かつて、アメリカの大統領にはピルグリム・ファーザーズの流れをくむWASP(ホワイト、アングロ・サクソン、ピューリタン)しかなれませんでした。近年はカトリックのケネディやレーガンなど例外がみられますが、ホワイト、アングロ・サクソン人以外の大統領就任は、宝瓶宮時代の流れに沿う画期的な出来事です。
今度は、国際政治におけるパワー・ポリティックスの面からアメリカをみてみましょう。
皆様は、世界に戦争を望みますか? それとも平和を望みますか?
当然、平和が続くことを願います。
であれば、何によって今日の世界平和が保たれているのか、理解しなければなりません。
かつて、「パクス・ロマーナ」と呼ばれた時代がありました。
ローマ帝国の最盛期、紀元前27年から西暦180年頃のことです。
「すべての道はローマに通ず」といわれ、ローマによる平和と繁栄が保たれた200年間があったのです。
宝瓶宮時代のビックバン(1989〜1990)の直後、ソビエト社会主義共和国連邦が崩壊した今日においては、「パクス・アメリカーナ」という一面があると断言しても過言ではありません。
やや危うい面はあるものの、「アメリカによる平和と繁栄」が世界の現状です。
長くなりますので、結論だけを書きます。
世界は「パクス・アメリカーナ」のもとにあって、日本とイギリスはアメリカの西と東における「防波堤」となっているのです。ご理解できますか?
誤解を恐れずにいうと、日本は西の「防波堤」として「パクス・アメリカーナ」の一翼を担い、世界の平和と安定、すなわち「友愛社会の実現」の道筋に貢献しているのです。
One-Point ◆ 1991年、共産主義国・ソ連の崩壊により、東西冷戦が終結。まさに宝瓶宮時代のビックバン(1989〜1990)と共に、「宝瓶宮時代の申し子」であるアメリカは、世界の盟主国に躍り出ました。今後はその立場を無闇な争いに用いるべきではなく、宝瓶宮時代の方向である「友愛社会の実現」に向けて、リーダーシップをとらなければなりません。
●西は、日本をはじめ、韓国・フィリピン・オーストラリアなど。東は、イギリスをはじめ、イスラエル・ドイツ・スペイン・トルコなど。北は、カナダ…。
地政学的にみると、同盟もしくは米軍駐留などにより、アメリカを中心に鉄壁の守りが敷かれている。
もう少し、具体的に説明しておきましょう。
アメリカを世界地図の中心にもってきたとき、東は大西洋を経て同盟国=イギリスを「防波堤」としてEU=欧州連合があります。
一方、西は太平洋を経て同盟国=日本を「防波堤」として韓国があるのです。
また。イスラム圏である中近東においては、イスラエルがアメリカの「前線基地」としての役割を果たす現状になっています。
これらの「防波堤」や「前線基地」の中央にあって、アメリカは守られているのです。
その一方で、アメリカのパワーによって、「防波堤」や「前線基地」も守られているという世界政治の現実があります。
もし、日本やイギリスが反アメリカの勢力に蹂躙され、逆の立場として前線基地になれば、アメリカ合衆国は、地政学的に本土でもって直接それらの勢力と対峙せざるをえなくなります。
本土が最前線となるのは、何としても避けたいのがアメリカの本音です。
それゆえ、アメリカは何があっても日本やイギリスとの同盟によって、「パクス・アメリカーナ」を維持しておく必要かあるということです。
それがアメリカの、ひいては世界の平和維持と繁栄につながるからです。
宝瓶宮時代の流れからみれば、「友愛世界の実現」への道筋ともなります。そこに宝瓶宮時代の「運勢」が共にあるということにお気づきですか?
故意か偶然か、事実はどうなのかは知りませんが、これが「パクス・アメリカーナ(アメリカによる平和)」の真実です。
少なくとも、EU・中国・ロシアをはじめ、世界主要国のトップクラスの政治家であれば、このことは冷厳なる事実として理解しています。
失礼ながら、支持率9.7%の麻生首相でさえ理解しているようです。
One-Point ◆ 然るに、時期首相に最も近いと目されていた小沢党首が世界のパワー・ポリテックスの現実も理解せず、歴史的な時代の流れも知らないというのであれば、サミットの一員である首相の有力候補としては失格といわざるをえません。もし、理解した上で語ったのであれば、なおさら時代の流れに反する「運勢」を失う言動ということになってしまいます。
●自民党・宮沢内閣の当時、同党羽田派の議員らは、ナント宮沢内閣不信任案に賛成の白票を投じました。
その直後、羽田氏は小沢一郎氏らと新生党を結成。
翌月の衆院選挙では、自民党は過半数に至りませんでした。
一方、当時の小泉郵政大臣は、宮沢首相を批判して辞任。
自民党総裁選で河野洋平氏が総裁に選出されたものの、首班指名は、日本新党の細川護煕代表に38票差で破れ、7党1会派の細川内閣の成立によって、自民党は結党以来、初めて野党に下りました。
もう一つ、小沢氏が時代の「運勢」を無くさざるをえない理由を書いておきます。
第一秘書が逮捕された(迂回=偽装)献金の問題は、小沢党首が「旧自民党」の体質を受け継ぐ、時代に反する行動をとっていることを示します。
「近未来予測=実際編」を読まれた方ならお分かりでしょうが、1993年頃から星のディレクションは「既成権力の崩壊」を示しはじめました。
そのため、多くの独占的企業やワンマンなど、既成権力が次々と崩壊したり、その座から滑り落ちていったのは、お読みになられたとおりです。
既成権力の雄である「自由民主党」も例外ではありませんでした。
1955年の結党以来、政権与党の座に居座り続けてきた自民党は、「既成権力の崩壊」のディレクションが始まった1993年、日本新党・細川連立内閣に政権を渡し、野党に下りました。
羽田内閣を経たその後、村山内閣で社会党と連立、政権復帰の足掛かりをつくると、橋本内閣、小渕内閣、森内閣と政権返り咲きに成功しました。
しかし、森喜朗内閣の支持率はわずか5.7%に低迷。このとき、自民党は末期状態にあったのです。
そこに登場したのが「自民党をぶっ壊す!」と打ち上げて首班に選出された小泉氏でした。
首相となった小泉氏は、不明瞭な派閥政治をなくすなど、旧自民党政治に風穴を開けました。
また、郵政改革によって「既成権力の崩壊」を自らの手で進めることによって、2005年の衆院選挙で大勝利(参照→「2005郵政解散と総選挙」)、新自民党として生き残ることに成功したのです。
宝瓶宮占星学からみると、自民党にとって小泉氏は「再生」の恩人に他なりません。
しかし、もし自民党が、国民を忘れ、再び自らの利権や政権維持に汲々とする「旧自民党」の体質に戻れば、間違いなく「運勢」を失って分裂・崩壊していくでしょう。
もっとも、それは民主党も例外ではありません。
小沢党首第一秘書逮捕の事件は、「旧自民党」の田中・金丸の金権体質を継承する以外の何ものでもありません。
もはや、「旧自民党」的な政治手法に、時代の「運勢」はないことを知らなければなりません。
One-Point ◆ 小泉氏は、アメリカ海軍基地のある横須賀で育ったせいか、アメリカの視点を併せ持った数少ない政治家でした。事の賛否はともかく、それゆえイラクへの自衛隊派遣を推進して国連軍に協力したのです。そういった小泉氏の上に時代の「運勢」は微笑んでいたかのようでした。
●治国・平天下は、「修身」によって始まるのが儒教の教えです。
国を治めるには、まず我が身を修めよということです。
グローバリズムが進んだ現代の政治家であれば、国際的に国家を背負う分、さらに「清濁併せ呑む」度量の広さや、駆け引きともいえる外交力が必要です。
北朝鮮の為政者が「国家の品格」など、浮かれたことを言っていたら、北朝鮮などはとっくに潰れています。
「品格」はあるにこしたことはありませんが、現実のパワー・ポリティックスも視野に入れ、国を守り、平和を維持する方法を併せて理解できていなければ、国家元首の器ではありません。
星のディレクションは、「既成権力の崩壊」に続き、2006年からは「組織運営の変革」を示しています。
今日、公務員制度など官僚の在り方を改め、日本という国家の「組織運営」を見直していくことは、時代の流れに沿って「運勢」を得ていく所為になります。
理性ある官僚らが、自らの見識による自浄作用でもって改めていけばよいのですが、それができないのであれば、三権分立の構造上、国民の信を受けた国会議員がチェンジ(変革)を促さなければなりません。
小沢党首にリーダーシップを発揮してもらい、民主党にその期待を持った国民も多かったと思いますが、もし、自らの手が汚れていたり、晴眼を抱いていないのであれば、相手をキレイにしたり、他人に改革を促していくことはできません。
たびたび比較して恐縮ですが、郵政改革を推進した小泉内閣においては、不正やスキャンダルなどを抱えていないか、事前に「身辺調査」を行ったうえで大臣を選定し、任命したと聞いています。
小泉内閣においては、次の脇の甘い安倍内閣(参照→「2007参院選自民大敗の理由」)のときとは違って、不正による大臣の辞任を一人も出しませんでした。
それゆえもあって、痛みを伴う「郵政改革」を断行できたのです。
「改革」のように、必要性や大義あって他人に対する痛みを伴う何らかの志を遂げようとするのであれば、我が身をして「清」でなければならないということです。
※内政における面白い動きもありますが、「宝瓶宮時代の内政と運勢」については、後日、ページを改めて書くことがあると思います。
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